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【鹿島】引き金は完敗の浦和戦。「ちょっとこれでは、と思いを強くした」鈴木満強化部長が監督交代の経緯説明

オンラインで取材に応じた鹿島の鈴木満強化部長。協力:鹿島アントラーズ

失われた昨季のベース。再構築を図ったが、開幕の清水敗戦から「がたがたと崩れ、尾を引きずった」。

 ザーゴ前監督解任、相馬直樹新監督が就任――。激震に揺れる鹿島アントラーズの鈴木満強化部長が4月14日、オンラインによるメディア取材に応じ、監督交代の経緯やチームの抱える課題などを語った。

 チーム作りについて鈴木強化部長はザーゴ前監督と対話を続けてきたなか、今季再びゼロからスタイルを構築するような形になり、そこで考え方に擦れ違いが生じていったという。新型コロナウイルスの影響で、ディエゴ・ピトゥカ、アルトゥール・カイキの合流が遅れたことには同情していたが、決断するには、このタイミングしかなかったと強調した。

「昨年のベースに上乗せした形でのスタートを切れず、ベースをまた崩してしまった。その状況下、そこに戻すような状況のスタートとなってしまいました。そこでなかなか噛み合わなかった感じはしています」

 開幕の清水エスパルス戦では1-3の逆転負け。その展開は大きなショックであり、結果的に今まで引きずってきたと鈴木強化部長は言う。

「(最近は選手のミスも目立ったが?)ベースがなく、方向性をみんなが共有できず、ちょっと迷いがあり、そういう状況でプレーすると自信も失い、ミスも多くなってしまう。そんな状況だったのかなと感じています。僕の中でも、こうしたらいいかな? と思ってきたところはあります。開幕の清水戦でそれなりにコントロールしているなか、後半しっかり守り切れなかった。そこで3点取られて負けて、チームのベースががたがたと崩れ、それがずっと尾を引いたという感じはしています」

 それでも2節以降は1勝1分で勝点を積み重ねる。アビスパ福岡戦は早い時間から数的不利になる展開で落とし、名古屋グランパス戦も拮抗したなかでの連敗。不運も重なっていたなかで、手応えも得ていた。一つ勝てれば流れは変わるはずだった。

 そう臨んだザーゴ前監督も「ダービー(決闘)」と位置付ける浦和レッズ戦。ところが、アウェーで1-2と1点差ながらもいいところなく喫した完敗は、チーム全体の士気に影響を及ぼした。

 鈴木強化部長は近年、「鹿島として大事に守り継続していくところ、鹿島として変えていくところ」、その判断を逡巡しているところであると認める。そのうえで、浦和戦の敗戦は「鹿島として大切にしてきたこと」を、改めて認識した試合でもあったと言う。

「特に今年で言えば、あの浦和戦は、内容も良くなかったです。ちょっと、これではな、と思いを強くした試合でもありました。鹿島の良さというところを、もう一度思い直す、思いを強くしてやっていかなければいけないと感じました。そこは相馬監督とも話しましたし、きっと立て直してくれると思います」

 結果的に、その敗戦によって、解任へのトリガー(引き金)は引かれてしまった。

 クラブとして監督解任を決断したのは、先週末の北海道コンサドーレ札幌戦。引き分けではあったが、鈴木強化部長は「毎試合いろんなことを考えてきましたが、最終的にはこの前の札幌戦です」と話した。

 そのうえで、相馬監督への期待を口にする。

「相馬には将来的に、鹿島で監督をやってほしいと思っていました。きめ細かいところがあり、外国籍監督のもとで、彼らの持つ良さを学び、大きくなって、いい指導者になってくれればという思いはありました。どこかのタイミングで、監督をやってほしいと思っていましたが、少し早まった感じにはなりました」

 まずは守備からの再構築を図る。しぶとく勝ち、負けない――。そんな鹿島の”強み”を取り戻すことから着手する。

「(ザーゴ体制の今季は)前から行かないといけない、ディフェンスをしなければいけない、そこからの意識の共有ができず、無理に行ってカウンターを食らう試合が続きました。今シーズンは無失点の試合が限られています。相馬はディフェンスをしっかり組織化するのが得意な監督であり、まず守りのベースをもう一度整理したい思いはあり、そこは一番期待しています」

 ブラジル路線で確固たるスタイルを築いてきた鹿島だが、その強みと課題があり、改めて後者が今強く問われる状況だ。相馬監督は暫定ではなくあくまでも『監督』であり、「長くやってもらいたい」と鈴木強化部長も期待を寄せる。

 相馬監督はジーコ・スピリットを体現してきた第一人者であり、そうして日本を代表する選手であり、指導者となってきた。その新指揮官のもと、鹿島一丸となって、この難局を乗り切るとともに、未来の指針について考える機会にもしていく。

【鹿島】ザーゴ解任、相馬直樹監督が自ら「激震」と語るなか決意表明「チャレンジャーとして立ち向かう」

[取材・文:塚越始]

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