【鹿島】ザーゴ解任、相馬直樹監督が自ら「激震」と語るなか決意表明「チャレンジャーとして立ち向かう」
オンラインでの取材に応じた鹿島の相馬直樹新監督。(C)KASHIMA ANTLERS
今シーズン2勝2分4敗で暫定15位。「自分がこの鹿島を大事なクラブだと思っているからこそ」
J1リーグの鹿島アントラーズは4月14日、ザーゴ前監督の解任を受けて就任した相馬直樹新監督のオンラインによる取材対応を行った。Jリーグでは3チーム目、鹿島では初めて指揮を執る相馬監督は、「もう一度、我々はチャレンジャーとである、と。常勝と周りからは言っていただけるクラブですが、現在15位。ただチャンピオンとして輝くために全てが足りないわけではありません。現実としてそういう状況にあるとしっかり見つめ、チャレンジャーとして戦わなければいけないと思います」と決意を示した。
スクランブル的な新監督就任。その率直な感想を求められた指揮官は、「言葉が出てこないな……」としばらく考えてから、次のように語った。
「まずこうした状況になったこと、その中にいた私もコーチとして、非常に責任を感じています。ただ止まってるわけにはいかず、もう一度強いアントラーズを取り戻す、さらに前へ進んでいくために、話をしていただいたなか、自分がこの鹿島を大事なクラブだと思っているからこそ、前に進むための力になれればと思いました」
そのように「もう一度強いアントラーズを取り戻す」と強調した。
13日にはトップチームの選手2人・スタッフ1人から新型コロナウイルスの陽性判定が確定。全選手が揃わぬなかでの新体制のスタートとなった。
「もろもろのことでバタバタしていたなか、今日濃厚接触者の確定もありました。人数が揃っていないなか、新たにスタートしました。ただでさえ一日でも多くほしいところ、今日こういう天候になりましたが、選手、スタッフともに非常に前向きに取り組んでくれました」
94年から2003年まで鹿島で戦い(02年に東京ヴェルディに期限付き移籍)、左サイドバックとしてクラブの黄金期を築いていった。そこから数々の経験を積んできた現在49歳の相馬監督は、「全くの不毛の地から、それこそ這いつくばってでも強くなってきた」と振り返り、そのうえでジーコスピリットの「献身・誠実・尊重」を口にし、鹿島の基本であり原点には『チャレンジャー精神』があると強調した。
「チャレンジャーとして戦わなければいけない。そのためには、本当の意味で一つに集結しなければいけません。選手だけではありません。スタッフ、フロント、サポーターもそうです。鹿島が一つになって、上のチームに立ち向かっていかなければいけないと思います」
今週末は徳島ヴォルティスと対戦する。そこからミッドウィークを挟む13連戦となる。
「準備ができる時間は限られています。今やれること、見つめなければいけない課題にフォーカスして取り組みます。まず一番は、この激震、コロナもそうですが、監督交代が起きたなかで、そのエネルギーをピッチで戦う一つの方向に向かう、ファイトする準備をしっかりしなければいけないと思っています」
鹿島はこれまで今季J1リーグ2勝2分4敗で暫定15位。あくまでもタイトル獲得をクラブとしては目指す。
相馬新監督は1971年7月19日生まれ、静岡県出身。これまでのキャリアは、高部小スポーツ少年団 ― 清水市立第六中学校 ― 清水東高校 ― 早稲田大学 ― 鹿島アントラーズ(1994) ― 東京ヴェルディ1969(2002) ― 鹿島アントラーズ(2003) ― 川崎フロンターレ(2004)。元日本代表で、1998年のフランス・ワールドカップ(W杯)に出場。指導歴は、川崎フロンターレU-18アドバイザーコーチ、U-20日本代表コーチ、FC町田ゼルビア監督、川崎フロンターレ監督、モンテディオ山形ヘッドコーチ、町田監督、鹿島コーチ。
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[取材・文:塚越始]