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2次予選、有意義か?日本代表DF吉田麻也が問題提起「W杯で結果出なければアジアの枠が減るだけ」

日本代表の吉田麻也。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

14-0、10-0…ワンサイドゲームばかり。「続けることで自ずとクエスチョンも付く」

[W杯 アジア2次予選] 日本 10-0 ミャンマー /2021年5月28日19:20/フクダ電子アリーナ

 日本代表(SAMURAI BLUE)のキャプテン吉田麻也(UCサンプドリア)が、10-0の勝利を収めたカタール・ワールドカップ(W杯)アジア2次予選ミャンマー代表戦のあと、果たしてこの「アジア2次予選」が有意義なものであるのか、その在り方について疑問を提示した。

 前日の記者会見でも二桁ゴールが続く2次予選が、アジア全体にとって本当にプラスになっているのか疑問を投げ掛けていた。イングランド、イタリアに身を置き、ヨーロッパ(UEFA)は近年導入したネーションズリーグを行うことで、より実力伯仲の戦いに集中しているなか、32歳になったセンターバックはアジアの現状を憂う。

「ミャンマーに関しても、(前回の)モンゴルも(〇14-0)、ポジティブで諦めることなく、自分たちが成長しようとする姿が見えました。それが見えるからこそ、そこであまりに差があると、本当に有意義なものなのか、ちょっとクエスチョンがつきます」

 そう切り出した吉田は、アジア全体で考えるべき課題ではないかと指摘する。

「本当にアジアが、ヨーロッパ、南米、アフリカと抗っていくためには何をしなければいけないのか。日本のみならずアジア全体で考えなければいけないことだと思います。ワールドカップで結果を残せなければ、どんどんアジアの出場枠が減らされていくだけです。そこが一番、アジアが考えていかなければいけないことだと思いますし、こうして10ー0や二桁得点の試合が続けば、自ずとクエスチョンはついてくるのかなと信じてやっています」

 テンションを落とさず徹底的に戦う。最近の日本はそのフェーズで戦うようになった。そしてたとえ10-0のゲームであっても、何かしら痕跡を残せなければ、次に呼ばれることはないかもしれない。そういった危機感さえ、森保一監督は植え付けている。

 吉田はこのあと、24歳以上のオーバーエイジ枠で選出されたU-24日本代表の活動に移す。

「強度を落とさず、特にセルビアは非常に強いと思います。久しぶりに難しい試合になるので、今まで見えなかった課題が、最終予選に向けてこのキリンチャレンジカップで出てくると思います。(ヨーロッパ組にとって)シーズンオフの連戦で体力的にはピークで厳しいです。体が二つあれば両方に出たいですけれど……。なぜ、自分が選ばれているかを考えて、それを常に証明することが代表選手の宿命。僕はオーバーエイジという立場であり、なおさらです。他の選手に納得してもらえるようなパフォーマンスを見せられるように、まず(6月シリーズ)2試合に集中したいです」

 2次予選6試合、全試合無失点。完璧な結果で最終予選進出を決め、吉田が東京オリンピック「金メダル」獲得に向けてチャレンジする。

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[文:サカノワ編集グループ]

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