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ストイコビッチ監督、一瞬ボールを蹴りかける「でももう走れません」│日本代表-セルビア代表

セルビア代表のストイコビッチ監督。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

日本代表へのアドバイスは「攻撃面全体。もう少しいい形でのチャンスの数を――」

[キリンチャレンジカップ] 日本 1-0 セルビア/2021年6月11日/ノエビアスタジアム神戸 キリンチャレンジカップ2021

 日本代表(SAMURAI BLUE)対セルビア代表戦は、日本が伊東純也のゴールで1-0の勝利を収めた。そのセルビアを率いたのがドラガン・ストイコビッチ監督だった。名古屋グランパス時代に選手として二度の天皇杯、監督としてJ1リーグ制覇を果たした、Jリーグのレジェンドの一人でもある。

 ストイコビッチ監督は試合前日の記者会見の最後に、「明日はベンチからゴールを狙っていますから、皆さん期待していて下さい。でも主審にはレッドカードを出さないようお伝えくださいね」と、ジョークを語っていた。

 だが実際の試合の前半に一度、左MFの南野拓実を越えてタッチラインを割ったボールが、ベンチにいたピクシーのところに飛んできたシーンがあった。

 試合は無観客で行われていたが、記者席で声は出せないものの、おぉぉと、その“一投足”に注目が集まった。

 が、ボールは少し勢いもあり、“体が反応”していたストイコビッチ監督だが、その足元にはこず。もちろん試合とは全く関係ないシーンだが、“ボールが飛んできた”だけでも視線を釘付けにされ、絵になるのだから存在感がハンパなく違う。

 ストイコビッチ監督は試合後、次のように試合の推移を振り返った。

「選手たちには縦に深いボールを出させないようにと伝え、前半は中盤の選手を抑えられました。しかし(選手交代したあと)後半は異なり、立ち上がりの失点で流れも変わりました。あのゴールで日本がより主導権を掴み、試合を支配し、我々はいいところを出せなくなりました」

 そのうえで「代表デビューを果たした選手が何人かいます。本来のセルビア代表のレベルにはなかったと言えますが、そのうえで勝利を目指していたなか、日本に勝てなかったのは残念です。Aチームの選手を加えて臨めれば、また違った結果だったに違いありません。(W杯予選が再開する)9月には全ての選手を揃えたい。日本代表の今後の活躍を祈念しています」と、悔しさを滲ませた。

 すると、ストイコビッチ監督が選手として出場していたら、また違った展開になっていたかも――。そんな冗談が飛ぶと、ピクシーは「それはそうかもしれません。でも、もう走れません」と返した。

 そして日本代表へのアドバイスを求められた指揮官は、「日本に負けてしまったので、こんなことを言うのはふさわしくないかもしれませんが……。試合を支配していましたし、スピードとテクニックも光りました。改善的を挙げるならば攻撃面全体。もう少しいい形でのチャンスの数を増やすこと。そうすれば、今日も3、4点と取れていたかもしれません」と、攻撃の再現性を課題に挙げていた。

 そこは日本としても大迫勇也のいるチームで臨みたかったところ。ピクシー率いるセルビア代表との“本気”のメンバー同士の再戦、来年のカタール・ワールドカップ(W杯)で実現なるか――。

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[文:サカノワ編集グループ]

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