充実のスコアレス。札幌があらゆるデータで勝つ。唯一、鹿島が「1差」で上回ったのが…
札幌のペトロヴィッチ監督。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
枠内シュート、ボール支配率、パス本数、総走行距離…。
3月31日に行われたJ1リーグ5節の北海道コンサドーレ札幌—鹿島アントラーズは、スコアレスドローに終わったものの、パスワーク、運動量、そして球際の競り合いなど、札幌の充実ぶりが際立つ試合内容だった。
それは目に見える数字からも分かり、あらゆるデータで札幌が上回っていた。
※左が札幌、右が鹿島
▽シュート数
12(16)本:12本
▽枠内シュート数
5本:4本
▽ボール支配率
51パーセント:49パーセント
▽パス本数
462本:438本
▽総走行距離
112.395キロ:108.846キロ
シュート数はブロックされたものなどを含めると(カッコ内の数字)、札幌のほうが多かった。それだけに勝点3が欲しかったのも事実。試合後に主審がVTRで見ればハンドだったと分かると認めた”誤審”などもあったなか、カシマスタジアムでクラブ史上初の勝点を掴んでみせたが、あと一歩、あと半歩で……勝利をモノにできていたか。いずれにせよ、そのデータが、ペトロヴィッチ監督の掲げる最終ラインを含めた全員が連動して攻めるスタイルが浸透してきていることを示しているのは確かだ。
一方、鹿島が札幌を「1差」で上回っていたデータがある。それがスプリント回数だ。
鹿島は181回、そして札幌が180回――。もしも、札幌がこの数値も鹿島を超えていれば、勝利できたかもしれない。逆に言えば、そここそが鹿島だ。走力を前面に押し出すチームに対し、完全に走り負けたわけではなかったことを示していると言える。そこに苦戦しながらもドローに持ち込んでみせた踏ん張る力=底力が感じられる。
今週末の6節・4月7日、札幌はホームで名古屋(14時開始)と、鹿島はアウェーで湘南(19時開始)と対戦する。札幌は地上戦(パスサッカー)対決、鹿島は札幌よりもさらに”走る”チームと戦うことになる。データからも試合の舞台裏のストーリーが見えてきそうだ。
文:サカノワ編集グループ