【鹿島】岩政監督、夏の補強を語る。新戦力の「リクエストはしていません」、あくまでも“成長”に懸ける。東京戦へ必勝を期す
岩政大樹監督。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI
甲府戦からは二つの修正点を絞り、全員で共有する。
[J1 21節] FC東京 – 鹿島/2023年7月16日19:00/味の素スタジアム
J1リーグ鹿島アントラーズの岩政大樹監督が7月15日、オンラインによる取材に応じて、翌日のアウェーでのFC東京戦に向けて抱負を語った。
鹿島は最近の公式戦4試合勝ち星なし。直近の12日に行われた天皇杯3回戦ヴァンフォーレ甲府戦は、PK戦(1[0EX0、10PK11]1)の末に敗退となった。同大会の昨年準決勝で敗れたJ2下位チームに、2年連続で土をつけられた。
岩政監督は甲府戦を受けて、時間も限られるなかで「前半停滞してしまった理由を二つに絞り、『なぜそうなってしまったのか』を共有し修正しました」と言う。
そして今回対するFC東京はピーター・クラモフスキー監督の就任後、リーグ2勝1分。アルベル前体制ではパスやテクニックも重視されてきたが、そこにパワーとスピード、さらにハードワークの徹底が加わり、“FC東京らしさ”を取り戻しつつある。
「いま日本で増えてきているマリノスと少し似たやりかたで、スピードもあるハイプレスからかなり勢いを持って入ってきます。FC東京に揃っている強度の高い選手に合うやり方だと感じます。それをいかに外すのか、一方で外さず挑むところも出てきます」
そのように、プレスをいなすところ、あるいはそれを受け止め譲らないところ。そうした局面の判断とバトルを、一つのポイントに挙げていた。
また、ここ最近は前線でケガ人などが出たなか、チャンスを与えた選手の中から新たなヒーローが出てくることに懸けてきた。しかし「勝ち切るところまでいけませんでした」と“現実”を受け止めたうえで、この試合のあと中断期間に入ることもあり、まず「シンプルに」勝利を狙うということだ。
また、ここからJリーグは夏の補強期間に突入する(7月21日から選手登録ウインドーが開く)。ただ岩政監督からは、新戦力について「リクエストは一切出していない」ということだ。
「(補強は)クラブ主導で動いているところ。それでも(トップチームは)30人いますし、この選手たちに期待し、アホと言われるかもしれませんが、若手選手の成長に懸けたいです」
指揮官は当初掲げた「競争と成長をもって、タイトルを目指す」というスタンスを貫く。ただ、もちろんもしも新戦力が加われば、年齢など関係なく評価するという。
「鹿島のエンブレムをつけて戦うことを望んできた選手を、正当に評価して試合に出していくことが現場の監督のあるべき姿。綺麗事だと言われると思いますが、それが僕のやり方です。いつまでここいいるのかも分かりませんので、そこへ僕が(選手を)取ってくるのは、あまり考えていません」
そのように岩政監督は少し内情も語った。
今季は苦しい状況に陥った時、一つの勝利から活気を取り戻し、巻き返してきた。岩政監督も「勝利することで、切り替えることができる」と話す。反攻へのキッカケとなる勝利を掴みたい。
FC東京対鹿島戦は16日19時から、味の素スタジアムで行われる。この試合のあと、チームは8月6日の北海道コンサドーレ札幌戦まで3週間のインターバルに入る。