レアル・マドリード久保建英のマジョルカ復帰、現実味と課題「今月中にも決断か」
2019シーズンのプレシーズンマッチ『アウディカップ』で、レアル・マドリードの一員としてプレーした久保建英。(Photo by Adam Pretty/Bongarts/Getty Images)
1部再昇格に伴い“再レンタル説”が浮上しているが――。
スペイン1部レアル・マドリードが保有権を持つ日本代表MF久保建英だが、スペイン挑戦3年目となる新シーズンもレンタル移籍する公算が高まってきている。そうしたなか、同国のメディアは久保が2019-20シーズンに在籍し1年での1部復帰を果たしたRCDマジョルカ、当時率いていたビセンテ・モレノ監督が率いて同じく1部に返り咲いたRCDエスパニョール、ヨーロッパリーグに参戦するレアル・ベティスが、久保獲得への関心を示していると報じている。
なかでも“有力”として噂が集中するのが、マジョルカ復帰説である。
スペインメディア『ムンド・デポルティボ』は6月15日、「クボはマジョルカに復帰できる」と題したレポートを掲載。レアル・マドリードにカルロ・アンチェロッティ監督が就任したことに伴い、久保の白い巨人への復帰は先送りされるのが基本線だという。何より東京オリンピックを目指す久保は、レアル・マドリードのプレシーズンに参加できないことで、そもそも構想外になりそうだと見ている。
逆にクラブとしても彼の実力を知り、久保自身も環境を把握するマジョルカは、確かに有力候補になり得るというのだ。
一方、『Grada3』は同じく、「過去在籍していたことで、マジョルカが一歩リードしている」と久保獲得レースの行方を見る。とはいえ、話が一筋縄でまとまることはないだろうと懐疑する。
そもそもレアル・マドリードが提示するレンタルフィーなどの額を支払えるだけの資金力を、現在のマジョルカは有していないはずだというのだ。それはエスパニョールにも言えること。コロナ禍の影響もあり、そこまで大金の投資はできないはずだといぶかる。
それだけにレアル・マドリードは、ベティスが乗り出してくれるのを待っていると読む。が、ベティスも、久保が昨季ビジャレアルCF、ヘタフェCFとそれぞれレギュラーで活躍できなかったことを踏まえると、さらなる上位を目指すうえで、重要な非EU圏の外国籍選手枠を活用するには二の足を踏むに違いないということだ。久保サイドは、今月中にはその去就を決めたいはずだというが、果たして――。
であれば、ヴィニシウス・ジュニオールのスペイン国籍取得、ガレス・ベイルとの兼ね合いなど国籍問題が解決すれば――。一度腰を落ち着けてレアル・マドリードでシーズンをスタートさせるという選択肢も出てくるか!?
レアル・マドリードとしては、アジア――日本市場を開拓する機会を探っている。一方、今季11シーズンぶりに「無冠」に終わってしまっただけに、是が非でもタイトルを奪うことも新シーズンは目標になる。
そういったなか、久保も東京五輪に臨む。レアル・マドリードとの5年契約の3年目、どのような決断がベストか。U-24日本代表の6月シリーズの活動も終わったことで、20歳になったレフティの去就に再び注目が集まる。
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[文:サカノワ編集グループ]