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【浦和】トーマス・デンが涙する鈴木彩艶にかけた言葉とは?

鈴木彩艶。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

湘南戦、ミスからの失点を悔やむ。18歳での厳しい経験、しかし「レッズで試合に出る以上、年齢は関係ありません」。

[J1 18節] 浦和 2-3 湘南/2021年6月20日/埼玉スタジアム

 J1リーグ浦和レッズのGK鈴木彩艶が湘南ベルマーレ戦後、オンラインによるメディア取材に応じて、自身リーグ戦では最多となる3失点により初めて喫した黒星を振り返るとともに、次戦以降に向けての抱負を語った。

「いい形で得点できて、前半にミスから失点してしまったものの立て直し、後半もレッズのペースで試合が進みました。そこからいい形で得点できましたが、2失点目、3失点と自分のミスから決められ、本当に悔しい気持ちです」

 そのようにU-24日本代表にも選ばれたゴールキーパーは振り返った。試合後、埼スタを周回してファンにあいさつする際、その目には光るものがあった。そして、その傍に来て肩に手をかけて声を掛けていたのがオーストラリア代表DFトーマス・デンだった。

 デンからは​「『もう、切り替えろ。次に向けて切り替えろよ!』という言葉を掛けられました」​ということだ。

 18歳という年齢にして、これも貴重な糧になるのではないか――。慰めのような質問に対し、新守護神候補はハッキリと言った。

「レッズで試合に出る以上、年齢は関係ありません。ミス一つで負けてしまう本当に悔しい思いをしましたし、いろいろな厳しい声もあると思いますが、切り替えて、次のゲームに向かって、やっていくしかありません。(GKとしてこれまでのミスや敗戦の受け止め方は?)時間は止まらず、次のゲームが来ます。ミスした時こそ、いかに次のゲームで、チームのために戦えるかが大事だと思います」

 また6月22日には東京オリンピック日本代表のメンバーが発表される。しかし鈴木は、そこは全く意識していないという。

「自分としては全く意識していません。逆に自分が(代表活動で)チームからいない間、(ルヴァンカップ、天皇杯と)レッズがいい状況で勝利を重ねていたので、しっかりチームにフィットするには難しいゲームになると思っていました。ただ、こういう形になるとは思っていませんでした。五輪については全く意識していないので、そこについて言えることは何もありません」​

 鈴木はそのように失点の責任を受け止めていた。

 とはいえ枠内シュート3本で3失点である。ビルドアップの致命的なミスも絡んだとはいえ、いずれもフリーで(形の中からの2失点目は槙野智章のウェリントンへのマークが甘すぎた)、あまりにいい形でシュートを打たれすぎた。

 そこはチームとしての反省材料になる。リカルド・ロドリゲス監督も鈴木の責任を問う質問に、「しっかりビデオで見返す」と答えるにとどめた。

 鈴木は​「ミスは終わったことなので、周りのファン・サポーターの皆さんに闘う姿勢を見せて、責任あるプレーでこれからも応えていきたいです」と、この日の3失点を受け止めていた。ここから這い上がるしかない。

【U-24日本代表】GK陣全ての好プレーに浦和の鈴木彩艶は拍手を送っていた│現地取材

[文:サカノワ編集グループ]