ハリル後任候補に挙がる西野、手倉森、森保…3氏のメリットとデメリットは?
ハリルホジッチ前監督(右)と西野氏。(C)SAKANOWA
西野氏は「体制一枚岩」、手倉森氏は「継続路線」、森保氏は「一新&未来」。
FIFAワールドカップ・ロシア大会開幕まで約2か月と迫るなか、日本代表のハリルホジッチ監督が4月9日に解任されることが決定的になった。日本サッカー協会(JFA)の田嶋幸三会長が同日午後に記者会見を開き、後任を発表する。
その後任候補に挙がるのが、日本サッカー協会技術委員長の西野朗氏、現日本代表コーチの手倉森誠氏、U-21日本代表(東京五輪代表)の森保一氏の3人。いずれも現場目線ではなく、JFAの政治色の濃い候補者ではあるが、果たしたこの緊急時に誰が就任するのがベストか。それぞれを選んだ際のメリットとデメリットをまとめる。
□西野朗氏…1955年4月7日生まれ、63歳。埼玉県さいたま市出身
▼メリット…ワールドカップ開催までの限られた時間の中、JFAがハリルホジッチ体制で何を問題点と考えていたのか、直接的にチームへ落とし込むことができる。体制の足元である協会内をまず一枚岩にして、チーム強化に力を入れられる。
▼デメリット…名古屋で2015年まで指揮を執ったあと、現場から離れている。またG大阪を率いた2002~2011年以降はパッとした成績を残せておらず、采配や戦術面でも新しいものを見せられずにいた。
□手倉森誠氏…1967年11月14日生まれ、50歳。青森県五戸町出身
▼メリット…日本代表に帯同してきただけに、ハリルホジッチ監督の作ってきたチームをスムーズに引き継ぐことができる。選手と密にコミュニケーションを取ってきており、チーム内の問題点を最も理解している一人と言える。リオデジャネイロ五輪代表監督として国際舞台も経験済だ。
▼デメリット…ハリルホジッチ監督をコーチとして支えながら成績を残せなかったのもまた事実。ハリルホジッチ色を一掃するのであれば、手倉森氏もチームを去るべきか。また、リオ五輪ではグループステージ敗退を喫しており、世界で戦える手腕があるかは疑問。守備からチームを作る采配にも賛否がある。しばらくチームの指揮を執っていないのも不安材料だ。
□森保一氏…1968年8月23日生まれ、49歳。長崎県長崎市出身
▼メリット…広島での優勝三度が示すように、Jリーグでの監督としての実績は申し分ない。また広島から東京五輪代表監督に就任し、常に第一線で指揮を執ってきたのも強み。「日本のスタイル」を世界に示すことができる人材と言える。また、ワールドカップから東京五輪、さらに先へ――という将来を見据えると、この緊急事態を一転してポジティブに変えられる可能性も秘める。
▼デメリット…現在の日本代表は4バックをベースとしてきたが、森保体制は基本的に3バック。戦術も異なるだけに、短期間で浸透させるのは難しいか。またワールドカップで大敗を喫した場合、東京五輪代表チームにも影響が及びかねない。コーチなどの「入閣」が妥当か?