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浦和がJリーグに意見書「クラブのみに懲罰を下すのが『常識』ならば、ファン・サポーターの共感を得て成り立つJリーグの発展に確信が持てない」

写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA

「懲罰決定のプロセスが、規程通りに進められたのか疑念」など5点をまとめる。

 J1リーグの浦和レッズは7月16日、クラブ公式サイトに『明治安田生命Jリーグ 第18節 湘南ベルマーレ戦 懲罰に関するJリーグへの意見書について』と題し、新型コロナウイルス感染症の検査結果の報告ミスによる選手エントリー問題で「0-3敗戦」とけん責の懲罰を受けた件について、日本サッカー協会(JFA)不服申立委員会への不服申し立てとは別に、Jリーグに対して「今後のJリーグの発展も願い」意見書を提出したと報告した。

 クラブはJFA不服申立委員会に提出した不服申立理由は懲罰に特化したものであり、意見書の内容とは異なると説明している。

  意見書の内容は以下の5点。

1)本件の審議について
コロナ禍という「非常事態」においては、コロナ対策として定められた各種手続きについては規律委員会以外の他の機関も含めて審議をするべきである。
「通常時」と同じルールを当てはめ事実上の「没収試合」とすることをJリーグが無作為に認めることは、「非常事態」においてはどのクラブにも発生し得る実質的損害のない手続きミスを厳罰とすることとなり、懲罰として「過重」であり、各クラブの運営に少なからず悪影響を及ぼす危険性がある。

2)規程の内容について
コロナ関連手続きについての審議は、現状の規程では規律委員会にしか諮れないであれば、「まずは規律委員会以前にJリーグや他の機関を含めて判断する」という内容に規程を改定するべきではないか。

3)懲罰決定までの一連のプロセスについて
今般の懲罰決定までの一連のプロセスが、規程に定められている通りに進められているのかどうか疑念が残る。

4)JFAとJリーグの連携について
日本代表に選出された選手に関する手続きは、JFAとJリーグが連携して一括で手続きをするなど効率的な運用を検討頂きたい。

5)本件全般に対するJリーグのスタンスについて
登録手続きにおいてクラブに落ち度があったことは疑いようのない事実であり、各方面にご迷惑をおかけする結果となり、お詫び申し上げます。
一方で、試合に出場する選手のチェックという点においてはクラブ・Jリーグ双方に瑕疵があったと考えている。
クラブは事実を確認し、報告し、処分も受け、内部的な処分も検討しているが、Jリーグは今後の改善策検討を表明したものの、チェックが機能しなかったことについての非は何ら言及していない。
その責を問う規程が存在しないとしても、自らの非に向き合わず、クラブのみに懲罰を下すのがJリーグの「コモンセンス(常識)」だとすると、ファン・サポーターの共感を得て成り立つJリーグの発展には確信が持てない。

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[文:サカノワ編集グループ]

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