【Jリーグ】選手への負担考慮、「長めのスパン」を空けて日程再編を目指す。新型コロナ対策連絡会議
写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
第5回会議で専門家からの提言を受けて、村井チェアマンが見解を示す。臨時の実行委員会で協議。
一般社団法人日本野球機構(NPB)と公益社団法人 日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)が合同で立ち上げた「新型コロナウイルス対策連絡会議」の第5回会議が4月3日に行われ、その後、NPBの斉藤惇コミッショナー(日本プロ野球組織コミッショナー)、 Jリーグの村井満チェアマン、「専門家チーム」の賀来満夫氏(東北医科薬科大医学部)、三鴨廣繁氏(愛知医科大大学院)、舘田一博氏(東邦大医学部)による記者会見がウェブで行われた。
座長の賀来氏は「非常に厳しい状況。4月の開催は非常に難しい。できる限り現段階で、時間を延ばせるのであれば、延ばしていただきたい」と、現在の状況では試合の開催自体が難しいと見解を示した。さらに舘田氏は「誰が感染してもおかしくない蔓延期に突入しています。また1、2か月のスパンで考えなければいけない時期に入ってきています」と、むしろ警戒を強めるべきだと説明した。
Jリーグは、J3が4月25日に開幕、J2が5月2日、J1が5月9日に設定して再開を目指していた。しかし、こうした説明を受けて村井チェアマンは「現在のスケジュールを実行を移すのは難しいという認識でいます」と、Jリーグ全クラブによる臨時の実行委員会を開いて、今後の日程について改めて協議することを明かした。
そして村井チェアマンが考える、今後の段取りについて、次のように意向を示した。
「(再開スケジュールについて)具体的なことは実行委員会でこれから協議していきます。検討するインターバルが、当初は政府の見解が2週間ごとでしたので、我々も2週間ごとに状況の推移を見守り、機動的に検討していくように考えていました。
しかし、選手が2週間ごとに(コンディションの)ピークを作り、また2週間ごとになくなり。それでは選手への負荷はもちろんのこと、チーム関係のさまざまな運営上の課題もあることから、一定程度、2週間よりも長めのスパンで、今後、日程などは検討していく必要があるのではないかと考えています」
そのように、一旦ゼロに戻して、再検討することを示唆した。村井チェアマンは「J1が5月9日での再開を予定していましたが、2週間よりも長めのスパンで考えていく可能性もあります。ただし日程変更ありきではなく、実行委員会で諮っていきます」と説明した。
さらに、無観客試合であっても、現在の状況であれば、移動に伴う選手の感染リスクが高まることが、専門家からも指摘された。一時は地域によって開催するプランも上がったが、村井チェアマンは「地域によって細かく分けていくよりかは、日本全体のリスクを大局的に見ていく必要があるのではないかと思っています」と見解を示した。
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[文:塚越 始]