衝撃4ゴールの長沢駿の言葉から浮かぶ、15戦勝利なし…リーグ戦に好循環をもたらすヒント
ルヴァンカップで爆発中の長沢(20番)。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
中盤も、最終ラインも連動して――。
[J1 6節] G大阪 – 神戸/2018年4月8日15:00/吹田
ガンバ大阪のFW長沢駿がルヴァンカップの名古屋グランパス戦で、衝撃の4ゴールを決めた。前半だけでハットトリック”プラスワン”を達成。マークについていた17歳の新鋭DF菅原由勢をきりきり舞いさせた。
ハットトリック達成はプロになって初めて。4ゴールは清水ユース時代以来だという。「感覚が冴えて、すべてイメージ通り。ゾーンに入った」と、本人は振り返っていた。
長沢が復調へのきっかけを掴んだのが、同じくルヴァンカップの前節、4-1で快勝を収めた浦和レッズ戦だった。ほぼ主力と言える顔触れを互いに揃えるなか、長沢は2ゴールを奪取。そのとき語っていた”好循環”に、G大阪がリーグ戦でも上昇気流に乗るためのヒントがあるようだった。
「自分の良さを生かしてくれた。みんなに感謝したい」
ゴールを決めたときに長沢はそのように語るなど、周りへの感謝を忘れない。
ただ、それは単純にアシストした選手だけに対する言葉ではない。浦和戦では文字通り全員に感謝し、戦術が徹底されていたことを、ゴールの要因と勝因に挙げていたのだ。
「前線からプレスに行き、それに呼応して中盤も、後ろの選手もついてきてくれて、それが連動して噛み合っていた。だからコンパクトに戦えて、(浦和の)ふらふらしている選手に前から思い切ってボールを奪いに行けた」
間延びせず全体が連動している。そして迷わず足元がおぼつかない相手に襲い掛かる――。その好循環ができていたという。
「行くなら行く。行かないなら行かない。そこは気を付けてやっていたが、それぐらいやらなければ勝てない。だから奪ったあともカウンターに持ち込むなど、ハッキリとプレーできていました」
リーグ戦でのG大阪は、昨年からなんと15試合未勝利が続く。レヴィー・クルピ監督も「(ルヴァンカップは)リーグ戦とはメンバーが異なるので、評価が難しい」と冷静だ。ただ、そろそろ勝利できるはず……という気配は春の訪れとともに漂っている。
4月8日にホームで迎える神戸との関西ダービー。新たなる季節=シーズンの扉を、長沢が語っていたようにチーム全員で力いっぱい、今度こそ開きたい。
取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI