鹿島上昇へのキーマン犬飼智也。着実にアントラーズイズムが浸透する
プロ7年目の24歳。今季鹿島に加入した犬飼。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
湘南戦で悔しいリーグデビュー。「勝ちにこだわる」
[J1 7節] FC東京 – 鹿島 /2018年4月11日/味の素スタジアム
今季清水エスパルスから鹿島アントラーズに加入したCB犬飼智也が4月7日の6節・湘南ベルマーレ戦、リーグ戦デビューを果たした。しかし同点となるオウンゴールを与えてしまい、その後は安定した守備を見せながら後半アディショナルタイムのラストプレーで失点……。ほろ苦い初陣となってしまった。
「オウンゴールを与え、最後はああゆう形になってしまい申し訳思っています」と唇を噛んだ犬飼だが、オウンゴールで1-1となったあとは慌てることなく冷静に対応。シュート数16対4が示すように、鹿島が主導権を握り続け、犬飼と植田のセンターバックも守備をケアしつつ、積極的にビルドアップに加わっていった。
「やっていてプレー自体は悪くなかったと思いますが、最後の失点は、90分通じてどこか隙を作っていたことが出てしまった。次へと……なかなか切り替えるのは難しいですけど、試合は続くので、下を向いているわけにはいかず、引き続きやっていきたいです」
そのように悔やみながらも、「守り方に関しては問題なかったと思うので、悔しいですね……」と、少なからず”やれる”という手応えも得ていた。
ACLではすでに3試合に出場し、決勝トーナメント進出に貢献している。「(ACLとは)もちろん戦い方も異なります」と語る一方、「試合に対する気持ちは、勝ちを目指しやると、そこは変わらなかったです」とあくまで勝利にこだわった。勝利のために、いかに最高のパフォーマンスを発揮してチームに還元するか。勝利からの逆算を考え、犬飼は自身のプレーを悔やんでいた。アントラーズイズムはすっかり浸透している。だからこそ、悔しさも相当だった。
連戦は続く。11日のFC東京戦は体調不良だった昌子源が戦列復帰する見込みだが、これからも犬飼の出場機会は確実に訪れるはず。常に試合に出られる準備を整えておくことが求められる。
実直な男だ。きっと悔しさをピッチの上でぶつけて、勝利をもたらしてくれるはずだ。
取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI