東京五輪を経た上田綺世、アントラーズで闘う矜持を語る「鹿島のユニフォームを着るということは、サポーターの想いがあり、チームの歴史があり――」
東京オリンピック日本代表での上田綺世。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
「自分が感じたことを、これから形にしていくのが重要に」
[J1 25節] 神戸 – 鹿島/2021年8月21日18:00/ノエビアスタジアム神戸
J1リーグ鹿島アントラーズの東京オリンピック日本代表FW上田綺世が8月20日、オンラインによる取材に応じて、翌日の神戸戦への抱負、そして東京五輪の活動を経ての思いなど質問に答えた。
公式戦4連勝、リーグ戦3連勝にある鹿島にとって、この勝点41で並ぶ上位対決(鹿島3位、神戸5位)で勝点3を掴みたいところ。ACL出場権の獲得とさらに上を目指すために重要な“6ポイントマッチ”になる。
「リーグ戦で上位に食い込むには、また勝つ必要がありますし、ここでひと踏ん張りして、順位をキープすること。上位を目指すには一つひとつ積み重ねることが大事で、連勝とかいろいろありますが、目の前の一戦に向かって準備していく必要があると思います」
4月のリーグ戦のホームゲームは1-1で引き分け、上田は64分に同点ゴールを決めている(先制点は、セルティックFCに移籍した古橋亨梧)。それだけに今回も上田の一撃が期待される。
「自分の出場時間がどれぐらいになるかは分かりませんが、特長を前面に出したいです。ピッチは雨の影響もおそらくありますが、神戸のスタジアムはちょっと滑りやすいので、そこは試合に影響してくると思います。それにマッチアップする選手や僕自身の状態も前回とはまた異なり、そこでどのように崩していくか。見たり感じたりしながら、自分なりに調整していきたいです」
今回、東京五輪を終えてから最初の取材対応となった。
鹿島に戻っての気持ちを聞かれた上田は少し考えて、こう語った。
「鹿島のユニフォームを着るということは、サポーターの想いがあり、チームの歴史があり、背負うものは、日本代表と負けず劣らずあります。そういったものを、これからのプレーや体で表現して、それが結果という形で表われれば、よりいいと思います。点を取ることにこだわりながら、チームとしての結果、勝利を多くもぎ取りたいです」
また、代表チームに行ったから、五輪に出たから、突然いいプレーができるわけではない。むしろ、試行錯誤の幅は広まるかもしれない。そして、その変化はむしろ自分自身でさえも分からないとも言う。
「自分が感じたことを、これから形にしていくのが重要だと思っています。その“感じたもの”はいざプレーしなければ分からないことでもあります。もっと高めないといけない、五輪で感じた物足りなさをピンポイントで口にするのは難しくて、それは今後プレーしていく以上、常に感じていく部分でもあります。意識しながら、それを感覚に落とし込んで擦り合わせていくのが大事だと思っています」
鹿島を勝たせる、自分の力で。その一点に思いは集約される。22歳のストライカー上田のリーグ再開後、初ゴールなるか――。
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[文:サカノワ編集グループ]