中村俊輔が挙げた磐田の”ライバル二人”「一緒になってレギュラー争いをしたい」
今季プロ22年目を迎える中村俊輔(写真はレッジーナ時代)。 写真:徳原隆元/C)Takamoto TOKUHARA
湘南戦でリーグ6試合ぶりの復帰。途中出場から敗れたが「下を向かなくていい」。
[J1 15節] 湘南 1-0 磐田/2018年5月19日/Shonan BMWスタジアム平塚
ジュビロ磐田のMF中村俊輔が5月19日の15節・湘南ベルマーレ戦、0-1とリードされた73分から途中出場し、リーグ6試合ぶりに復帰を果たした。しかし守備を固めた相手を崩し切れず、FIFAワールドカップ・ロシア大会に向けた中断前最後のリーグ戦を白星で飾ることはできなかった。
「あとから出たので、ギアチェンジをしたかった。でも、向こう(湘南)もギアチェンジして守備を固めて、1-0で守りきるためによく足が動いていた。こういうときもある。下を向かないでいい」
4月21日のベガルタ仙台戦(〇3-0)以来の出場。チームとして主導権を握り続けていただけに、中村はそのように敗戦をプラスにも受け止めていた。そのうえで、「ただ、下(下位)が迫ってきて、上(上位)が明日の結果によっては離れてしまう。この先、下に巻き込まれるかどうかは、この期間が大事になる」と、これから突入する夏の中断期の重要性を強調した。
「ただ、いい雰囲気というかね。松浦(拓弥)も山田(大記)も良い感じだし、僕も一緒になってレギュラー争いをしたい」
そのようにトップ下やシャドーで活躍する二人の名前を挙げて、一緒に高め合っていきたいと”相乗効果”を期待していた。
今季これまで、鋭利なアタックを武器に敵陣を切り刻んできた松浦は13試合3ゴール。強さと巧さを融合させたダイナミックなプレーを見せてきた山田も14試合2ゴールと活躍。それだけに、いまなお精巧なキックを誇る中村は彼らと切磋琢磨し合うことを希望。一方で、いずれもタイプが異なるだけに、中村とのセット起用による相乗効果もまた楽しみと言える。
磐田はこれから6月2日と9日にガンバ大阪とのルヴァンカップ・プレーオフがあり、そしてリーグ再開は7月18日のホームでの鹿島アントラーズ戦。中村、山田、松浦……どこかで今季まだ一度も実現せずにいる3人同時先発はあるか。名波浩監督はいかに選手たちのモチベーションを上げるかを課題に挙げていた。攻撃の”ギア”を入れる中村をはじめ彼らが、磐田浮上へのキーマンであるのは間違いない。
取材・文:塚越始
text Hajime TSUKAKOSHI