岐阜が大宮に完勝! 「新型大木スタイル」に古橋と竹田が確かな手応え
大宮戦で3試合連続ゴールを決めたFC岐阜の古橋。 写真:後藤勝/(C)Masaru GOTO
すべての選手が連動し合い躍動。最近3勝1敗、次節はホームで新潟戦!
FC岐阜が5月19日、J2リーグ15節の大宮アルディージャ戦で完勝を収めた。これで12節から3勝1敗。その1敗は前節90+2分に決勝点を許した首位大分トリニータ戦(●1-2)だった。選手たちが徐々に自信を身に付けていることが伝わってくる。
陣形はいびつで非対称。基本は4-1-2-3だが、形にハメていない。大木監督のスタイルは、相手ボールに「噛みつき」、ボールを持てば「しっかり顔を出す」の徹底。ボールを基準にして人も動くのが特徴だ。
今季はすべての選手が躍動している印象を受ける。昨季の庄司悦大とシシーニョへの依存度が高かったチームとは対照的である。3試合連続ゴール中の大卒2年目のFW古橋亨梧は説明する。
「去年は後ろでボールを持つ時間が多くボールを触っている選手が偏っていたかなと思いますけど、今年はどの選手が出ても同じサッカーができています。選手の一人ひとりがその特長を理解し合っている。だから底上げができていると感じます」
確かに連係は試合を重ねるごとに良くなっている。大宮の個のレベルが高い最終ラインを意に介さず、正確にボールを運んでフィニッシュへ到達している。
古橋によると、大木武監督から崩しのアイデアを授けられ、それを1週間ずつ練習でマスターしているのだという。
そして最終ラインを支えて今季初ゴールを決めた今季ファジアーノ岡山から加入したDF竹田忠嗣は、あまりラインの高さにはこだわっていないという。そこも昨季までの徹底したハイラインからの守備からの変化と言える。
「ライン(設定)がどこがいいかどこが悪いかということに正解はなく、いろいろな要素がある。むしろ相手の攻撃をこちらでコントロールしているようなイメージでやっている。向こうのシュートする場所をできるだけ(自陣)ゴールから遠ざけるようにやっていて、そこがもっと連動してできれば、どんな誰でも失点されないと思います」
そして竹田は続ける。
「大木さんは日本サッカーが世界で勝つためにはどうすればいいかというところを見ている」
その意味するところは、ずば抜けたフィジカルやスピードがなくても、知性と高い献身性を誇る選手がいれば勝てる。それを岐阜が具現化している。
「大宮相手に臆さず、堂々とやれた」宮本は嬉しそうに言った。「大木さんからも『どのチーム相手でもやれる』と言われています。自信を持てています」
次節16節は5月26日15時からホームで昨季までJ1にいたアルビレックス新潟と対戦する。ついに10位まで順位を上げた岐阜にとって、とても楽しみな一戦になる。
取材・文:後藤勝
text by Masaru GOTO