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【日本代表への推薦状】伊藤洋輝がW杯へ食い込めるか。左利きの大型DF、久保建英と戦ったユース代表のキャプテン

シュツットガルトの伊藤洋輝。 (Photo by Alex Grimm/Getty Images)

課題を克服できれば、フル代表でのポジション獲得も。

 日本サッカー協会(JFA)は5月20日、ブラジル代表戦(6月6日@国立競技場)など組まれる6月シリーズに臨むサッカー日本代表(SAMURAI BLUE)のメンバーを発表する。

 カタール・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選を終えたあと、最初の活動となる。今回キリンカップ&キリンチャレンジカップの4試合が組まれている。

 フルメンバーで臨める活動は6月と9月のみ。新戦力の発掘や新たなトライをするためには、今回が重要なタイミングだ。

 ヨーロッパ主要リーグのシーズン終了直後のタイミングであり、森保一監督は国内外のクラブから比較的多めの人数を招集する予定だと明言している。UEFAヨーロッパリーグ(EL)決勝進出を果たしたドイツ・ブンデスリーガ1部アイントラハト・フランクフルトの鎌田大地の復帰などが見込まれる。

 加えて、初招集が期待されるのが、ドイツ1部VfBシュツットガルトに所属する23歳のDF伊藤洋輝だ。

 ジュビロ磐田から昨年6月にレンタル移籍。当初はシュツットガルトⅡでプレー予定だったが、1年遅れのEURO2020、南米選手権、そして遠藤航も臨んだ東京オリンピックの開催などにより、国際大会招集メンバー不在の間、伊藤もトップチームでプレー。するとプレシーズンマッチで結果を残し続け、そのまま開幕メンバー入りし、ポジションを掴んでみせたのだ。すでに完全移籍に移行したとも言われる。

 4バックの左センターバック、または3バックの左ストッパーを主戦場にリーグ29試合・1得点に出場。ペレグリーノ・マタラッツォ監督は「逆サイドの対角にも放てるなど、ロングフィードの精度がとても高い」と、その左足から繰り出されるキックのパワーと精度を絶賛していた。

 そして今季リーグ最終節の1.FCケルン戦。遠藤の1部残留決定を呼び込んだ決勝ゴールが話題を集めたが、そのコーナーキックに対し、ニアに走り込みヘッドでフリックしアシストしたのが伊藤だった。186センチという高さとパワーも武器である。

 さらに久保建英らと臨んだ2018年のU-19アジア選手権では、U-19日本代表のキャプテンを務め、U-20ワールドカップ(W杯)の出場権獲得に貢献。ピッチ上で堂々と振る舞う、そのリーダーシップも魅力だ。

 一方、地上戦の1対1の守備で後手に回ってしまうなど、駆け引きの面では課題を残す。もちろんボールの奪いどころが明確になっていなかったシュツットガルトの組織としての課題もあったが、そういった経験の積み重ねや周囲との連携、牽引がさらに飛躍するためのカギとなってきそうだ。

 日本代表ではセンターバック陣が比較的充実している。ただ「左利き」は限定的で、左サイドバックの争いにも加わっていけるはずだ。シュツットガルトの新シーズンのパフォーマンスによっては、一気に日本代表のポジションも狙える力は十分ある。6月シリーズでチャンスを得られれば、伊藤にしかないカラーで、特別な印象とインパクトを残してもらいたい。

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