ポジションを目まぐるしくチェンジ。新ベレーザスタイルを目指して
仙台戦に臨んだ日テレ・ベレーザ。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
明日6月3日、首位INACとアウェーで天王山。
なでしこリーグ3連覇中の女王、日テレ・ベレーザは永田雅人監督のもと、新たなスタイルに取り組み、現在リーグ2位。明日6月3日、勝点2差で首位を走るINAC神戸レオネッサとの天王山(13時、ノエビアスタジアム)に臨む。
永田監督は絶え間ないポジションチェンジを要求してきたが、選手たちは驚くような対応を見せてきた。8節のマイナビベガルタ仙台レディース戦では、前半、有吉佐織と宮川麻都の両サイドバックが早々にポジションを入れ替え、後半には両サイドハーフ、センターバックのポジションも変更。相手の混乱を誘う狙いもあるだろうが、選手の幅を広げるトライであり、「状況や景色を変える」(永田監督)ことで停滞すればすぐに変化をつけた。
しかも、ただポジションを変えるだけではない。選手たちは役割を把握して対応。選手交代に加え、こうした打開策を持っているのは強みになってきた。一つひとつのプレーに選手たちの意図が感じられ、だからこそ失敗を含めて見応えがある。
長谷川唯は言う。
「今は相手を見てサッカーをしている。相手がどこに来てるのかを考えて(パスを)出しているから、ポジショニングは重要。ただ大きくナナメに走り込んだりすることが少ないから、もうちょっと(そういうプレーを)増やしたい」
まだ余力は十分だ。
「やっと方向性が見えてきた感じ。今はまだ30パーセントの出来」
長谷川はそのように語り、可能性を感じ取る。これからどれほど破壊力を増していくのか。誰も真似できないベレーザスタイルを築き上げようとしている。
新スタイルは選手が高い技術と戦術眼を持つベレーザだからこそ、チャレンジできていると言える。ならば、活動期間が限られる難しい面はあるものの、なでしこジャパン(日本女子代表)でも、こうしたトライができれば理想的と言えそうだ。
取材・文:早草紀子
text Noriko HAYAKUSA