「怖いパスを」高倉監督が要求した世界で勝つための新テーマ
今年4月、アジアカップで優勝を決めた高倉監督。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
ハットトリックの田中、宇津木&隅田の評価は?
[国際親善試合]日本女子代表 3-1 ニュージーランド女子代表/2018年6月10日/ニュージーランド・ウェリントン
アジアから世界(ワールドカップ)へ向かう一歩。なでしこジャパン(日本女子代表)が、優勝したアジアカップ後、最初の国際試合となったニュージーランド戦で勝利を収めた。日本の高倉麻子監督が、試合後に語ったコメントは次の通り。
ーー3-1の勝利。試合を振り返って。
まず素晴らしい環境で試合をさせていただいたニュージーランドの方々に感謝しています。お客さんも来ていただいて、最高の環境でプレーできましたし、ニュージーランド代表も素晴らしいチームで、ファイトして良い試合ができました。
少しニュージーランドが引き気味でスタートしてきたので、そこをいかに崩すか、さまざまな選手がチャレンジしました。なかなかゴールを割れない時間帯が長かったですが、一つの工夫とプレーが一致して先制点が生まれました。
ハットトリックを決めた田中(美南)は、もともとストライカーとしての素質があり、ただこの間のアジアカップではなかなか出場機会を与えることができませんでした。彼女も今日は奮起して、強い気持ちを持って臨んでくれました。彼女が結果を残したことは、チームにとっても非常に力になるなと思います。ゲームとしては支配する時間が長かったですが、ニュージーランドの縦に強く速い攻撃に非常に苦しめられましたし、まだまだ修正の余地があると感じました。
ーー宇津木瑠美と隅田凛に中盤のコンビを組ませた理由は?
今日は二人をディフェンシブミッドフィルダーとして置きましたけれど、要求したのは全体的なバランスを保つことと、積極的に前へ飛び出していくこと。ボールを受けてさばく点は非常によくやってくれたと思います。決定的な仕事と言いますか、危険なパスを前線に送り込む点は、もっと改善の余地があると思いますが、及第点は与えたい。バランスもよく取れていました。このチームが怖いチームになっていくためには攻撃面で怖いパスを出せるようになることを要求していきたいです。
ーーこのゲームはワールドカップに向けて有効でしたか?
もちろん。このような環境で真剣勝負ができたことは日本には大きな経験になったと思います。
ーーデビューした阪口萌乃選手の評価は?
彼女が新潟で活躍しているところを見て、前回から招集しました。非常に足下の技術がしっかりしていて、前を向くスピードや判断のスピードが速いので、少し前目で使って点を取ることを期待して使いました。随所に光るプレー、可能性を感じるプレーを見せてくれたと思います。それが結果に結びつかなかったことが、彼女も悔しそうでした。こういった真剣勝負の中で何が足りなかったのかを感じ、選手は成長していきますので、可能性は強く感じました。期待する選手の一人です。