「すごく反省。守備で走った」乾貴士は後半”勝つため”のプレーにシフト
日本代表の乾貴士 写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
初のW杯のピッチに立ったが波に乗れず。そこで彼は考えた――。
[ロシアW杯 グループH 第1戦] 日本 2-1 コロンビア/2018年6月19日/サランスク(モルドヴ)
初のワールドカップのピッチに立った日本代表の乾貴士は4-2-3-1の左MFで先発フル出場し、勝点3の獲得に貢献した。それでも前半は再三にわたるチャンスをモノにできず、後半は守備重視にシフトしたことを明かした。
この日の乾はシュート3本(枠内1本)を放ち、パス本数35本(成功28本)で成功率80パーセントとやや低かった。
試合開始早々にコロンビアに退場者が出て数的優位になったものの、乾は流れに乗れ切れない。試合を決定づけられたはずのシュートも枠を捉え切れず、プレーに切れやパワーが感じられない。
すると乾自身も波に乗り切れていないと察知。後半に入ると、プレースタイルを切り替えたという。
「前半の自分自身の出来が悪くチームに迷惑をかけてしまったので、すごく反省しています。後半、自分に何ができるのかを考えて、守備で走ろうと決めました。それが勝利につながったと思います。とにかく勝てたことが一番です」
調子が上がらないなかで、自分に何ができるのか――。乾は『チームのために走る』という選択をした。
「相手が一人少なく自分たちがボールを持てるなかでも点を取りにいく気持ちは常に忘れず、一方でカウンターにだけはやられないように考えていました。この勝利を無駄にしないためにも、あと二つ(2試合)。しっかり勝って、予選突破を決めたいです」
乾は高い対応力を見せ付けた。エイバルでの「スペインに渡って最も充実していた」という2017-18シーズンを経て体得したハードワーク。そして来季、ベティスへの移籍も決めた。
ドリブルなど高度なテクニックが最大の売りである乾だが、チームへの献身性も見逃せない。背番号14のタフさもまた、今大会の日本の武器となりそうだ。
文:サカノワ編集グループ