甲府が天皇杯優勝!波乱万丈の戴冠劇、42歳山本英臣「人生終わったなと思いました」。PK献上→河田晃兵セーブ→PK戦5人目キッカー成功
高円宮妃久子様から天皇杯を受ける甲府の山本英臣。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
日本代表GK大迫敬介の動きも冷静にチェック、「少し動き出すのが――」。
[天皇杯 決勝] 甲府 1(0EX0、5PK4)1 広島/2022年10月16日14:00/日産スタジアム
ヴァンフォーレ甲府の42歳、在籍20シーズン目の大ベテラン山本英臣が歓喜の戴冠を果たした。
天皇杯決勝、サンフレッチェ広島戦。そのサッカー人生のように、波乱万丈の展開だった。延長後半の112分に交代出場したものの、直後にハンドのファウルでPKを与えてしまう。
「この場で辞めようかと思いましたよ。みんながここまで積み上げてきてくれたのに、自分は1試合しか出ていませんでした。あまりに(交代出場して)すぐでしたし、落ち込むというより、自分の人生が終わったなと思いました」
それでも満田誠のキックを河田晃兵がスーパーセーブ! 1-1のままPK戦に突入し、託されたのは5人目の最後のキッカー。汚名挽回のためにも、「自分に回ってきてほしい。蹴りたい」と願った。
また対峙したのは日本代表GK大迫敬介だったが、「ずっと足を動かしてフェイントなどを掛けていましたが、少し動き出すのが早いのかなと感じていました」と、冷静にチェックし、あとは「悔いがないように」思い切りけり込み、チームに“日本一”のタイトルをもたらした。
優勝セレモニーで涙は見せなかった。
「入場した時から気持ちが高まっていました。あれだけたくさんのサポーターが来てくれて。ただ自分が試合に出てPKを与えたところで、一度気持ちも落ちてしまったので、ホッとしたという感じでした。今思い返すと、(ハンドでPKを与え、PKキッカー5人目を担うなど)怖いですね……。ただ一回救ってもらった命だったので、責任を果たせて良かったです」
甲府で掴んだ最高の歓喜。山本は静かに喜びを嚙み締めていた。
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