【横浜FM】クロス、スルーパス成功数など攻撃スタッツ突出、守備面でも驚きの「PA外からの失点わずか『1』」。Jリーグ STATS REPORT 2022
シュートを放つ横浜FMの喜田拓也(左)。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI
ゴール期待値は唯一60台の「62.5」、岩田智輝のパス数&成功率が突出。
2022シーズンのJ1リーグを制覇した横浜F・マリノスは、攻撃面のスタッツが光っていた一方、失点数35もリーグ最少と守備も堅かった。しかも――ペナルティエリア(PA)外の失点が「1」という驚くような結果も残していた。
Jリーグは1月11日、2022シーズンのデータをまとめた「J STATS REPORT 2022」を公開。リーグ、チーム、個人の様々なデータをまとめ、新シーズンに向けて、サッカー談義に活用してほしいと呼び掛けている。
そのうち優勝した横浜FMは、失点数「35」が名古屋グランパスと並んでリーグ最少。しかもPA外から喫した失点は最少のわずか「1」。次がセレッソ大阪の「3」だった(最多は北海道コンサドーレ札幌の「10」)。
一方、攻撃面でも常にイニシアチブを握り勝ち切ってきたことがデータからも分かる。
シュート数「552本」、ゴール数「69」、ゴール期待値「62.8」はいずれも1位。“攻撃が最大の防御”を体現してのタイトル獲得だった。
ゴール期待値とは、シュートがゴールにつながる確率を予測した数値で、唯一の60パーセント台を記録している。続いて2位が浦和レッズの「53.5」、他チームは50以下だった。
またクロス数「622本」、成功数(通った本数)「142本」、クロスからの得点数「29」、スルーパス「585本」、スルーパスからのゴール数「19」もリーグ最多だった。
選手別のクロスによるアシスト数は、2位水沼宏太「5」、3位仲川輝人「4」と、二人で9ゴールをもたらした(1位は清水エスパルスの山原怜音の「7」)。
さらにパス数「821本」も最多で、個人別でもMVPを受賞した岩田智輝の2390本が1位。しかも岩田の成功率88.4パーセントはパス本数トップ10で最も高かった。
他にも、相手のプレスを回避してシュートにつなげた割合「9パーセント」、コンパクトな守備を打開してシュートにつなげた割合「8.7パーセント」も1位。しかもタックルラインが45.55メートルと最も高かった(自陣センターサークル内)。
基本的にリーグ戦で課題と言えたのは、ファウル数が8番目に多い(しかし失点への直結は「1」のみ)ぐらい。ほぼ満点と言えるデータを残していることが分かる。
あとは主導権を握る戦いだと勝ち切れないという日本勢の課題となっている、ACL(AFCアジアチャンピオンズリーグ)をいかに戦うか――。横浜FMも川崎フロンターレも“日本で強い”という領域から脱し、海を越えてインパクトを与えたい。2023-24シーズン制になるACLは外国籍選手枠も拡大されるだけに、最大の武器である「総力」をフル活用して、F・マリノスがアジアや世界をアッと驚かせることが期待される。