JリーグMVPオルンガが記者会見で語った柏サポーターの支援、ネルシーニョとの出会い
2020シーズンのJリーグ最優秀選手賞を受賞した柏のオルンガ(上段右から二人目)。写真:石田達也/(C)Tatsuya ISHIDA
自分自身に失望した2018シーズン。「しかしサポーターは私に信頼を寄せてくれていると感じました」。
Jリーグの2020シーズンの最優秀選手(MVP)は、柏レイソルのケニア代表FWオルンガが選ばれた。J1リーグ32試合・28ゴールという爆発的な活躍を見せ、得点王とのダブル受賞に。オルンガはこの受賞に際し、次のように喜びとともに、日本での2年半の生活について語った。
――加入1年目は苦しんだが?
「2018年途中に加入した時、チームを勝たさなければいけない状況でしたが(※チームはJ1残留争いをしていたが2部降格に)、3得点しかできず、皆さんをガッカリさせてしまいました。ただサポーターが私に信頼を寄せてくれていると感じていました。そこからより責任を持ち、試合ごとに一つひとつ学ぶことも多くなりました」
――そして2019年、2020年でのブレイクに。秘訣は?
「環境に適応しながら日本の文化を理解し、チームメイトと良い関係を築き、この成功への物語につながったと思います。気候的にはとても蒸し暑かったですが、なるべく早く適応する努力をして、私一人にならず、周りの方々が支えてくれました。最大限の力を発揮できるように、みんなが協力してくれました。レイソルにふさわしいところに戻るため、ネルシーニョ監督のもと、成長を続けながら、2020シーズンを終えられました」
――印象に残るゴールは?
「全てのゴールが嬉しかったです。中でも仙台戦でボールを上手くコントロールし、シュートまで短い間で決めることができて、それが私自身にとってファーストハットトリックにつながりました」
――アフリカ人選手が日本で成功する条件を挙げるならば?
「潜在能力は高く、ピーター・ウタカ選手がコンスタントに結果を残していますが素晴らしい選手ですね。日本人選手はみんな献身的にプレーしてくれるので、どこまで自分に貢献できて、自分がどのようにプレーすれば結果につながるのか。そこを上手く理解し、力を発揮できれば良い結果を残せるはずです」
――ネルシーニョ監督との出会いについて。
「結果にこだわる指揮官です。哲学である『ビトーリア(勝利)』のもと、公式戦はもちろん、練習試合であっても、紅白戦であっても、常に勝利を追及し、勝つためにはまずハードワークが求められます。そのメンタリティをチームメイトに体に覚えさせ規律を重んじます。そしてピッチ内外の言動を見て判断し、チームの成功につなげています。彼と一緒にいることで、いろんなことを教えてもらいました」
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[取材・文:塚越始]