【浦和】ギアクマキスのアトランタ移籍、正式発表へ。レッズでのメディカルチェック後まさか破談
スコティッシュカップ準決勝キルマーノック戦でゴールを決めたギアクマキス(右)。(Photo by Ian MacNicol/Getty Images)
米国は戦略通り!? 土壇場で移籍金アップ、ボーナス含め6億5000万円。浦和を1億5000万円上回る。
J1リーグの浦和レッズが獲得を目指していたスコットランド1部セルティックFCに所属するギリシャ代表FWギオルゴス・ギアクマキス(Georgios Giakoumakis)が日本時間1月31日、アメリカとカナダで展開されているメジャーリーグサッカー(MLS)のアトランタ・ユナイテッドFCに完全移籍で加入することが決定的になった。ギリシャメディア『SDNA』が報じた。
同メディアによると、浦和は移籍金350万ユーロ(約5億円)[※一部では400万ユーロ(約5億6000万円)とも)で完全移籍のオファーを提示していたという。
そしてレッズはセルティックと「クラブ間合意」に達した。しかし個人との交渉ではなかなか合意に至らず、その間に、ギアクマキスは一時セリエAのUCサンプドリアと「個人合意」したと言われた。ただサンプドリアは浦和を上回る移籍金を支払えず断念すると、そこへアトランタも獲得に乗り出した。
今度はギアクマキスがアトランタと「個人合意」に達する。が、アトランタは「半年間のレンタル+買い取りオプション」の条件で申し出て、それでは応じられないとセルティックが拒否した。
すると1月27日、ギアクマキスがオランダに渡って浦和加入に向けたメディカルチェックを受けて「合格」したと報じられた。実際28歳のギリシャ代表FWがアムステルダム空港にいる姿も捉えられていた。
二転三転したが、ついにレッズ行きを決断か――。
と思われたのも束の間、28日、同メディアによると、アトランタが380万ユーロ(約5億3000万円)プラス、ゴール数や試合出場数に応じたボーナス90万ユーロ(約1億2000万円)での完全移籍のオファーを再び提示。サラリーキャップの枠外となる特別指定選手(DP[Designated Player]スポット)として迎えた。
ギアクマキスは29日のセルティックの試合も欠場。そして30日、ついに話がまとまったようだ。結果的に、アトランタはその「DPスポット」で獲得する“切り札”を持っての戦略だったと見られる。
ギアクマキスは現在古橋亨梧の控えに回っているものの、2021-22シーズンのスコットランドリーグでは13ゴールを決めて得点王に輝いている。さらにプレッシングなど守備面の貢献度も高く、今冬、サンプドリア、スペイン1部カディスCF、フランス2部FCジロンダン・ボルドー、ベルギー1部RSCアンデルレヒトと有力クラブが獲得に乗り出していた。
年明けから続いた浦和とギアクマキスの“狂騒曲”はハッピーエンドを迎えられず。キャスパー・ユンカーが名古屋グランパスへ移籍した一方、ブライアン・リンセンが好調を維持するなか、レッズはさらにパワーと高さを前線にもたらせる助っ人ストライカーを新たに探すことになりそうだ。
Jリーグの移籍マーケットは3月まで開ているため、今後は欧州を中心に(主要リーグは1月31日に移籍期間が終わり、メンバーがフィックスされるため獲得が難しくなるが)、東欧や北欧、フリートランスファー、あるいはJリーグやアジアでプレーしてきた選手にも目を向けていくことになる。