サッカー界のパワハラ、一向に改善されず。G大阪が森下仁志ユース監督を解任、高校生とスタッフへ「指導範囲を超えた不適切な言動」
ガンバ大阪のエンブレム。(C)SAKANOWA
小野社長「スポーツ指導者による指導の適正範囲を超えた不適切な言動は絶対にあってはならないこと」
J1リーグのガンバ大阪は3月30日、「指導の適正範囲を超えた不適切な言動」が認められたため、ガンバ大阪ユースの森下仁志監督を解任したと発表した。過去にも複数の事例が報告されてきたJリーグの指導者によるパワーハラスメント行為だが、一向に改善されず、現在もはびこっている現実が浮き彫りになった。
クラブによると、2023年2月28日、森下監督の指導に関し、アカデミー選手の一部から「指導の適正範囲を超えた不適切な言動が見受けられる」とクラブに情報提供があり調査を開始した。この事案の調査と審議が終了するまで、森下監督に自宅待機となっていた。
3月1日、この事案をJリーグに報告し、クラブ内の調査を開始。2日から8日まで、アカデミー選手とスタッフ計39人から聞き取りを個別に実施した。
9日、森下監督から聞き取りを行い、10日から顧問弁護士と調査結果に基づいて協議。 そして24日、「指導の適正範囲を超えた不適切な言動」を認定、同監督も事実と認めたことから、クラブとの話し合いの上でユース監督退任が決まった。
調査の結果、森下氏はユース選手(高校年代)およびアカデミースタッフに対し、「指導の適正範囲を超えた不適切な言動(過大な要求や行き過ぎた指導)」が認められたという。
G大阪の小野忠史社長は次のようにコメントしている。
「スポーツ指導者による指導の適正範囲を超えた不適切な言動は絶対にあってはならないことです。ユース選手、保護者、ご関係の皆様に、おかけしたご迷惑、ご心労につきまして、深くお詫びを申し上げます。弊クラブに関わるすべての人が安心してアカデミー活動に取り組むことができる環境を整備すべく、再発防止を徹底して参ります」
クラブは「再発防止策」を次のように発表している。
1. アカデミー体制の見直し
新たなユース監督につきましては決定次第、お知らせいたします。
2. 社内教育の再徹底
アカデミースタッフを対象にセーフガーディング(児童や青少年が安心して活動できる環境づくりを促進し、危害から守るための取り組み)研修を実施いたします。
3. 社内相談窓口の強化
アカデミー所属選手・監督・コーチ・スタッフがアカデミー部門以外にも相談を行える社内相談窓口を設置し、体制を強化いたします。
4. 定期的なアンケートによるモニタリング等
アカデミー所属選手およびスタッフに対して定期的な面談やアンケートを行い、適切なモニタリング体制を構築いたします。