「心が震えました」宮市亮が右ヒザ前十字靭帯断裂から復活。横浜FM、福岡に2-0快勝
宮市亮。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
「皆さんがいなければ、僕はこうして現役を続ける選択肢がなかったかもしれませんでした。感謝の気持ちでいっぱいです」
[J1 15節] 横浜FM 2-0 福岡/2023年5月28日14:03/日産スタジアム
J1リーグ15節、横浜F・マリノスのFW宮市亮がアビスパ福岡戦の78分から途中出場し、右ヒザ前十字靭帯断裂の大ケガから復活を遂げて、リーグ戦では約10か月ぶりとなる出場を果たした。
ホームの日産スタジアム。大きな歓声が背番号23の背中を押した。
昨年7月27日のE-1東アジア選手権の韓国代表戦、日本代表に選出されていた宮市は右ヒザ前十字靱帯断裂の重傷を負った。そこから厳しいリハビリを乗り越えて復活を遂げ、先日5月24日のルヴァンカップ・グループステージの北海道コンサドーレ札幌戦で途中出場して約8分間プレー。そしてこの日、リーグ戦でのホームゲームのピッチに立った。
宮市は試合後、「スタジアムが作り出してくれた雰囲気に改めて圧倒されました。心が震えました。本当に待っていてくれたんだなという皆さんの想いが伝わってきました。その感謝の気持ちを表現したいとピッチに入りました」と嬉しそうに語った。
「僕のユニフォームを掲げてくれている方がたくさんいて、試合に出る時にもすごく歓声をくれて、本当に有難いと思いました。プロを続けてきた良かったという気持ちと、その皆さんがいなければ、僕はこうして現役を続ける選択肢がなかったかもしれませんでした。感謝の気持ちでいっぱいです」
2-0とリードした展開でヤン・マテウスと交代でピッチに立ち、左ウイングに入った。宮市は再三にわたってドリブルで仕掛け、いきなり数多くのチャンスを作り出していった。
「リードしている展開でスペースもありました。チームから求められている、スペースを突いて縦に仕掛けたり、スピードを持ってプレーするところを求められていたので、そこは出そうと心掛けました。あとは……楽しかったですね! はい」
宮市はそのように笑顔を浮かべて語った。
試合終盤には三國ケネディエブスの強烈なタックルも受けた。ただF・マリノスの「23番」は、「あのシーンは、行かなくても良かったかもしれませんが、僕としては、行きたかった。そこに対しての怖さは全くありませんでした。試すと言いますか、公式戦の舞台で、あのようなシーンで怖さなくやれたのは一つ自信になりました」と頷いた。
宮市はあくまでも「スタートラインに立てた」と強調し、ここで落ち着くつもりなどない。
「まだまだスタートラインに立ったばかり。マリノスというチームに、サポーターに、スタッフに……いろんな人に支えられてここまで来ることができました。でも、まだまだここからです。頑張っていきたいです」
チームのさらに大きな力になる。横浜F・マリノスのリーグ連覇に向けて、そう強く誓った。