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カタールW杯へ槙野智章が国内組に「『次は俺だ』と思えるか」

ロシアW杯のポーランド戦で先発フル出場した槙野(20番)。写真:新井賢一/(C)Kenichi ARAI

悔しさをパワーに変えて――。後輩の突き上げを楽しみにしているかのようだった。

[J1 16節] 浦和 3-1 名古屋/2018年7月18日/埼玉スタジアム

 FIFAワールドカップ(W杯)・ロシア大会に日本代表として出場した浦和レッズのDF槙野智章が、柏木陽介のコーナーキック(CK)にヘッドで合わせ、勝ち越しとなるチーム2点目を叩き込んだ。中断期間再開となるリーグ戦、遠藤航の2発などいずれもCKから3ゴールを奪い、浦和が勝点3を獲得した。

 決めたのは、いずれもW杯に臨んだ槙野、遠藤の日本代表コンビだった。Jリーグのクラブからロシア行きの切符を掴んだのは7人。そのうちピッチに立てたのは、山口蛍、昌子源、槙野智章の3人だけだった。槙野は試合後、こんなことを語っていた。

今大会(ロシアW杯)を見て、国内組の選手たちの中で『次は俺だ』と、どれだけ思えたか。行った選手の中でも植田(直通)は海外に移籍して環境を変えたように、4年後に向けて、それぞれの想いがロシアから芽生えたと思う」

 2010年の南アフリカ、14年のブラジルと2大会は直前の代表メンバーに選ばれていたものの、W杯の日本代表入りは適わなかった。そして「この8年間、どうすれば、最後に自分の名前が呼ばれ、世界の舞台に立てるのか。それを目標にしてきた」と取り組み、念願だったロシアの晴れ舞台に立った。だから、その槙野の言葉には、悔しさをいかにパワーに変えられるか、というJリーグで戦う仲間たちへのアドバイスであり、挑戦状のような意味も込められている。

 日本代表が2大会ぶりのベスト16進出を果たしたロシアW杯は終わった。と同時に、それは2022年のカタールW杯への戦いのスタートでもある。

ここからまた競争が始まります

 日本代表歴代最年長となる31歳でのW杯デビューを果たした槙野は、後輩たちの突き上げをむしろ楽しみにしているようだった。

取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI

Posted by 塚越始

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