浦和の伊藤敦樹「昨日からビックリの連続」、まさにぶっつけ本番の日本代表デビュー
日本代表での浦和の伊藤敦樹。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
全体練習に一度も参加していなかったが、「気持ちは準備できていました」。
[キリンチャレンジ杯] 日本代表 6–0 エルサルバドル代表 /2023年6月15日19:10/豊田スタジアム
「昨日から『いきなり』が続いていると言いますか、正直、ビックリなことが連続しています。でも、今日は試合に出るつもりでいました。その気持ちの準備はできていました」
サッカー日本代表(SAMURAI BLUE)に緊急招集された浦和レッズの伊藤敦樹が6月15日のエルサルバドル代表戦の76分に守田英正と代わってピッチに立ち、国際Aマッチデビューを果たした。
文字通り、ぶっつけ本番だった。
前日に浦和での午前練習を終えたあと、帰宅するとスタッフから「おめでとう。日本代表に追加招集されたぞ!」と連絡が入った。伊藤は慌てて準備して、一旦クラブハウスに用具などを取りに戻り浦和の選手たちにもあいさつ。大宮駅から名古屋へ向かった。ちょうど日本代表は全体練習が終わるタイミングで、夕食から合流した。
全体練習には一度も参加していなかったが、試合前やポジションごとのミーティングに参加。そこで約束事や狙いなどを頭に入れてベンチに座った。
そして6-0となった76分、「いくぞ!」と声を掛けられた。森保一監督からはポイントを整理した指示を受けて、伊藤も自信を持ってピッチに立つことができた。
「まずバランスを整えること。サイドにボールを散らしながら、縦パスを出せる時は“刺す”など、前を向いてしっかりプレーすること。それに前へ行くタイミングがあれば、それが良さでもあるから、状況に応じてバランスを崩してでも前へ向かっていい。『思い切りやっていいぞ!』と声を掛けてもらいました」
球際では強烈なプレスで突破を許さなかった。中盤の壁を形成し、「上手く当たりませんでしたが、あのような積極性が自分の良さでもあると思います」とシュートも試みた。
「(招集は)もちろん驚きましたが、チームでのプレーが評価されて、それが嬉しいです。(得点を決めるなどサンフレッチェ広島戦のプレーが光ったが?)離脱したのが(広島の)川村(拓夢)選手で、森保監督に、そのいいイメージがあったのかもしれません。今日は展開的にも、チャンスはあるのかなと思っていました。アンカーでの出場で、少し難しさもありましたが、デビューできて良かったです。与えられたポジションでしっかりアピールできてよかったです」
次第にスケールの増す24歳、185センチ・78キロある中盤の“大物”伊藤が、豊田スタジアムで目標としていた日本代表での一歩目を堂々と踏み出した。