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【鹿島】予想外の京都との凡戦に大ブーイング。守備光ったGK早川「トランジションからのカウンタープレスは良くできていたが…」

鹿島のGK早川友基。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI

最近の公式戦6試合中5試合が無失点。もっとリスクをかけていい、と誰もが頭では分かっているのだが――。

[J1 19節] 鹿島 0–0 京都/2023年7月1日18:00/カシマサッカースタジアム

 J1リーグ19節、鹿島アントラーズは京都サンガF.C.とスコアレスで引き分けた。枠内シュート3本(京都1本)でほとんど決定機を作れなかった鹿島は、リーグ2試合未勝利(1分1敗)。6月は1勝2分1敗に。

 無失点に抑えたGK早川友基は試合後、「決められる時間帯に決め切るのが一つ。それに、もっと前線の選手の関係性のある崩しによって、もうちょっとゴール前へ入っていけるシーンを増やせれば。もう少しチャンスは作れたかなと思います」と振り返った。

 白熱のプレスの応酬から、互いにゴールへ直結するプレーが続くスリリングな展開になる――。そんな熱い試合で、もしかすると点の取り合いになるかも……とも予想された(と思わせて、1-0の手堅い試合もあるかも、とも)。

 ところが、いざ蓋を開けてみると、まさかチャンスも散発。シュート数は13本対11本だったが、枠内は3本対1本。3バックなども採用した後半は攻撃の形さえ作れなかった。予想を裏切るまさかの凡戦になってしまった。

 試合終盤、鹿島のファン・サポーターから熱い声援が送られたなかでのノーゴール。試合後には、選手たちに対し大きなブーイングが送られた(一方、拍手を送るファン・サポーターもまた多かった)。

 最近の公式戦6試合中5試合が無失点と守備の安定は光る。ただ、ブーイングが出たことについて問われた早川は次のように答えた。

「失点しないところでは、守備の面での意識が高く、トランジションで前からプレスをかけるところはできていました。そのカウンタープレスから、もっと攻撃の厚みを出すプレーが必要だったかなと感じます」

 タイトに守れている。だからよりリスクをかけていい。それぞれが頭では理解しているものの、ピッチ上で表現できないもどかしさが感じられる。

 この日の早川のパフォーマンスは光り、素早い的確なポジショニングから相手シュートミスも誘発させていた。またゴールを奪いに行こうとする意欲も伝わってきた。

 岩政大樹監督が言うベース(守備の規律)は構築されつつあるのかもしれない。ただ、なぜか「4-4-2以外」への強いこだわりを見せる。

 なのだが、その選択をすると途端にチーム全体の攻撃の再現性が失われる(指揮官としては、どんどん選手が動いてギャップを作り、そこを生かしていくと、その狙いはシステムに関係なく、やるべきことは変わらないという考えだとも受け止められるが)。

 すでにシーズンは後半戦に突入している。その「伝統ではないもの」へのチャレンジのこだわりがあるならば、そろそろゴールへの明快な道筋は示したい。

Posted by 塚越始

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