【鹿島】衝撃ゴールの安西幸輝が古巣・東京V観戦で「もらった刺激」
鹿島アントラーズの安西幸輝。(C)SAKANOWA
恩師から「翔哉、祐希、健斗と一緒に代表を目指すぐらいに」。
[J1 17節] 鹿島 6-2 柏/2018年7月22日/カシマサッカースタジアム
鹿島アントラーズのDF安西幸輝が7月22日の柏レイソル戦で、衝撃の加入後初ゴールをねじ込んだ。ワールドカップによるリーグ中断の間に、古巣・東京ヴェルディ対レノファ山口戦(東京Vが3-1で勝利)を観戦する機会があり、「恩師や元チームメートと話ができて、刺激をもらった」とパワーを充電してきたことを明かした。
度肝を抜く一撃だった。柏戦の65分、気温30℃を超すなか、自陣のセンタサークルでボールを受けると、そのままゴールに向かって一直線にドリブルを開始。DF鎌田次郎に競り勝ち、さらに追いすがるDF二人をものともせず、右足を振り抜いてダメ押しの6点目をねじ込んだ。今季東京Vから加入したサイドのスペシャリストにとって、これが鹿島での記念すべきファーストゴールとなった。
その安西は7月15日に味の素スタジアムを訪れ、J2・23節の東京V対山口戦を観戦していた。そこでジュニア時代の2005年から昨季まで、育成組織を含め13年間にわたって在籍した古巣が快勝を収めるのを目の当たりにした。
元チームメイトから鹿島についての様々な話を聞かれ、逆に刺激を受けた。また安西にとってユース時代の恩師である強化部ダイレクターの冨樫剛一氏と旧交を温める機会も得た。そこで富樫氏から、こんな言葉を掛けられたという。
「鹿島で試合に出ていることが、東京Vのみんなにとって励みや刺激になっている。もっとチームを引っ張っていくぐらいの存在になってほしい。上(他の東京VのOB)には(中島)翔哉(ポルティモネンセ)や、小林祐希(ヘーレンフェーン)と、海外でプレーしている選手もいる。(三竿)健斗くん(鹿島)のように代表でプレーする選手もいる。お前も、もっと高みを目指せる。みんなで一緒に代表でプレーできるぐらいになってもらいたい」
ちょうど日本代表がベスト16進出を果たしたFIFAワールドカップ・ロシア大会が開かれていたとき。それだけに、その言葉は安西の胸にも響いた。
安西は「刺激を受ける機会になりました」と言う。今季は開幕からフル稼働していたものの、3月途中に右ヒザ内側側副じん帯損傷を離脱。その傷もすっかり癒えて、ワールドカップの中断明けからは左サイドバックのレギュラーに。そして今回のポテンシャルを十二分に発揮する60メートル独走からスーパーゴールを叩き込んだ。
たくさんの人から「ナイスゴール!」と声を掛けられるたびに、鹿島の32番は「ありがとうざいます!」と、とても嬉しそうに感謝していた。
取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOHSI