FC東京に罰金500万円。サポーター花火100発、観客1人火傷。JFA規律委員会が処分発表…次は浦和レッズ
FC東京のサポーター。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI
天皇杯の東京ダービー「我が国のサッカー史上でも類を見ない極めて危険な重大な行為」と断罪。
日本サッカー協会規律委員会は9月1日、7月12日に行われた天皇杯・FC東京対東京ヴェルディ戦で、FC東京サポーターの数人がゴール裏のスタンドで花火や発煙筒を引火させ打ち上げた行為を受けて、FC東京に対し、罰金500万円と譴責(始末書の提出)の処分を下した。
マッチコミッショナーからの報告によると、複数名のサポーターが約1分20秒にわたり花火や発煙筒を使用する事態を生じさせたが、「(FC東京は)被害の発生と拡大を防ぎ、観客や選手など試合に関わる人たちの安全を確保するために適切な措置を講じなかった」と指摘している。
このサポーターの行為で、観客1名が火傷を負ったことも認められた。サポーターは大量の花火をスタジアムに持ち込み、安全措置を講じないまま、観客席の密集したエリアで、大型応援フラッグに事前に切り込みを入れたうえ、その間から100発を超えて打ち上げたという。
規律委員会は「観客が密集するエリアで行われ、誤って大量の花火や発煙筒に引火したり、応援フラッグに引火していれば、観客だけでなくピッチ上の選手や審判、関係者にもケガを負わせるなど大惨事につながりかねなかった極めて危険な行為であるといえる」と断罪している。
こうした行為は、自チームのサポーターに対し「観客や選手など試合に関わる人の安全を確保するために、適切な観戦マナーを守らせ、施設の適切な使用等を周知し、遵守させる」とした天皇杯試合運営要項に記載される「サポーターの行為についての管理監督責任及びサポーターへの指導責任」の違反に該当。また、クラブがその行為を止めさせようとした形跡も認められなかった。
また次のような弁明もあったという。
「12年ぶりの東京ダービーであり一部のサポーターの熱が高まっていることは事前に察知しており、主管の東京都サッカー協会との間との協議の上、警備員を増強することなどの対応を講じていたが、火器等の使用までは予見できなかった」
「警備計画上、重点が両サポーター間のトラブル防止に向けられていたこと、当該場所は自由席で非常に込み合っていたこともあり、当該行為の実行中に警備員がたどり着くことができなかった」
そうしたうえで規律委員会は「我が国のサッカー史上でも類を見ない極めて危険な重大な行為であるといえ、このような行為を防げなかった対象者の責任は極めて重いといわざるを得ない」として、今回の罰金500万円の処分を科すことを決めたという。
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今月中旬には、サポーター暴徒化問題を起こした浦和レッズに対する同委員会の処分も発表される予定だ。