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【浦和 サポ暴徒化】JFA田嶋会長がクラブへの厳しい処分示唆「負傷者や死者を出す危険性も孕んでいた」

日本サッカー協会の田嶋幸三会長。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI

ステイトメント発表、「明らかに危険行為、決して看過できない」。

 天皇杯・浦和レッズ-名古屋グランパス戦での一部浦和サポーターによる暴徒化問題で17人に「無期限入場禁止」処分を科した日本サッカー協会の田嶋幸会長が8月31日、「世界に誇れるスタジアム環境を」と題しステイトメントを発表した。

 今回の「極めて厳しい決定」を受けて、次のように浦和サポーターへの思いを綴る。

「レッズサポーターは日本一の規模を誇り、その応援で素晴らしい非日常空間をつくることができる、世界に誇るサポーターです。今年はJリーグが開幕して30年ですが、当時からJクラブのファン・サポーターをリードしてきました。

 熱狂的な応援でチームを鼓舞し、サッカーの興奮や感動を最大限に引き出してくれる集団です。今年12月に開催されるFIFAクラブワールドカップサウジアラビア2023に、浦和はアジア王者として、日本を代表するクラブとして出場します。

 レッズサポーターも応援に行くでしょう。各国クラブチームのサポーターと共に大会を盛り上げてくれるはずです」

 しかし「一部の心ないサポーターによって、楽しく、ワクワクするはずの観戦環境が、暴力や威嚇、破壊行為で侵されたことは極めて残念なことです」と無念さを表す。

「私もその時の状況を映像で確認しましたが、明らかに危険行為であり、決して看過できるものではありません」

「痛恨の極みであり、日本サッカー界として忸怩たる思いを抱いています」

 そして田嶋会長は、負傷者や死者さえ出る危険性もあったと厳しく指摘する。

「スタジアムは若い人ばかりではありません。初めて来られる人もいるでしょう。障がい者の方や高齢者、子どもも観戦しており、万が一、彼らに危害が及んだ場合、大きな事故になりかねません。さらに言えば、今回のケースは負傷者や死者を出すような重大な事故を引き起こす危険性も孕んでいました」

 そしてJFAのスタンスとして、「違反行為を犯した者に罰則を与えたり、今回のような決定を下したりするだけでなく、われわれももう一度、襟を正してスタジアムの安全確保について真剣に考え、防止策を講じていきます」としている。

 最後に田嶋会長は「当事者意識」を持つ重要性を強調する。つまり、まだ浦和の対応が、どこか“他人事”であると感じているというニュアンスも伝わる。

「JFAはいかなる場合でも暴力や暴言、差別などを容認せず、全ての観戦者が安全に安心してサッカーを楽しめる健全なサッカー環境を広げていきます。本気で変えるには一人一人が当事者意識を持つことが重要です。

 このサッカー界の考えや取り組みが、いずれは日本のスポーツ界や国際社会にも良い影響を与えるものになるよう、サッカーファミリーの皆さんと共に考え、日本サッカーを統括する団体としての使命感と責任を持って取り組んでいく覚悟です」

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 浦和によると、JFA規律委員会の決定を受けて、9月中旬にもクラブに対する処分が発表される。結局一部サポーターの「ピッチへの侵入」行為のみしか処分を下していない浦和のクラブとしての対応も甘く、田嶋会長の今回のステイトメントからも、厳しい処分が下されることが予想される。