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負傷者を引き倒してイエローカード。町田ゼルビアが主審に猛抗議した理由とは? J2首位キープも栃木SCに0-1惜敗

(C)SAKANOWA

オフ・ザ・ボールの中断が続き…。

[J2 34節] 町田 0-1 栃木/2023年9月9日18:04/町田GIONスタジアム 

 J2リーグ34節、首位に立つFC町田ゼルビアが残留確定を狙う栃木SCに0-1で敗れた。町田はリーグ1位をキープしているものの、4位の東京ヴェルディまで勝点8差に接近。ヒリヒリする展開で、ラスト8試合に突入する。

 この試合、90分のシーンがSNSで取り上げられ、議論を呼んでいる。

 54分に宮崎鴻のクロスがオウンゴールになり、アウェーチームが先制に成功。シュート0本でゴールを打ち破ってみせた。栃木はその後も守護神の藤田和輝の好セーブなどで町田の攻撃を止めていく。

 ただ、なかなか攻撃ではいいところを作れない。すると75分を過ぎると、栃木の選手たちは接触プレー、足がつるなど倒れる時間が増加。そのたびに試合が中断されて、オフ・ザ・ボールの中断時間が重なっていく。また、主審へのファウルのアピールも目立つようになる。

 リードされた町田の選手たちもストレスを溜めていくが……。

 そして89分、問題のシーンが起こる。

 ボールはタッチラインを割ってスローインに。そのボールを追ってラインの外に出た福森健太だが、わざわざピッチ内に入って、足がつったと倒れ込んだ。

 そして様々な思いを爆発させた荒木駿太が、さすがにそれはないだろうと福森を外に引き倒してラインの外に出している。

 このシーンのみがSNSで切り取られ、問題視されていたわけだ。

 主審は荒木にイエローカードを提示。そこで町田の選手たちは主審に対し猛抗議をしている。

 つまり、荒木の行為はもちろん論外である。しかし、それまでも時間稼ぎと見られる行為があったなか、ここでは負傷した選手がわざわざピッチに戻って来てアピールしている。負傷した競技者は、ピッチ外で手当てを受けなければいけない。その福森の行為にもイエローカードが出されるのが妥当ではないかとアピールしていることが分かる。

 競技規則には「反スポーツ的行為を犯す」場合に、警告の対象になると規定されている。ただ今回のような行為までは文言で規定されていない。該当するとすれば「負傷を装って、またはファウルをされたふりをして(シミュレーション)、主審を騙そうとする」「試合に対してリスペクトに欠ける行為を行う」か。そのため、主審の対応も難しかったと言える。

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 そのあと治療を受けた福森は問題なくピッチに戻り、試合終了までプレーしている。

 何がなんでもJ1昇格、何がなんでもJ2残留を目指した両者の戦いは、いずれも必死な戦いを見せた。執念や意地を見せたとも言える。栃木は今シーズン初の連勝を記録。この日の観衆は5,577人だった。

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