「緊張感足りない」なでしこJ高倉監督が指摘!ブラジルに敗れる
ブラジル戦で敗れて、肩を落とすなでしこジャパンの選手たち。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
来年のW杯に向けた貴重な機会だが…「他人事のようにグラウンドを去っている」
4か国の強豪が集う「トーナメント・オブ・ネーションズ」で、なでしこジャパン(日本女子代表)は日本時間7月30日(現地29日)にブラジル女子代表と対戦し、1-2で敗れた。前半主導権を握ったものの得点を奪えず、後半に2失点を献上。増矢理花の強烈なダイビングヘッドで1点を返したものの、あと1点、追い付けなかった。FIFAランキングは日本が11位、ブラジルが8位。
来年のFIFA女子ワールドカップ(W杯)フランス大会に向けた、上位陣との貴重な腕試しの機会。日本は初戦のアメリカ戦(●2-4)に続いて2連敗。日本時間の8月3日に大会最後にオーストラリア女子代表と対戦する。
試合後の高倉麻子監督のコメントは次の通り。
――試合を振り返って。
どちらのチームに転んでもおかしくないゲームでしたが、前半にチャンスを決め切れず、ミスからの失点を喫してしまった。こうしたレベルの戦いではそういった差で勝敗が決するもので、一つひとつの緊張感が足りていないと感じました。もちろん選手個々は頑張っていますが、もう一段階、集中力を高めないと、僅差のゲームにも持っていけない。初戦のアメリカ戦にも言えることですが、まあまあ良くやっている、では、先へは進めない。そのあたり、チーム全体での厳しさを、もう一度見つめ直したいです。
――決定機を作れないと課題を挙げる選手がいたが?
集中力だったり、プレーの強気な部分だったり、すべてにおいてまだまだ。戦術面のすり合わせも大切だが、上手くやろうというより、試合に対する気迫のところを改めて示せるように、選手たちにも確認していきたい。2点取られたあと1点返したものの、中だるみしたなかでも選手たちは(試合を)作り上げないといけない。他人事のようにグラウンドを去っている限りでは、未来に進んでいけない。次も強い相手(FIFAランキング6位のオーストラリア代表)だが、三つすべて負けて帰るわけにはいかないので仕切り直したい。
――アメリカ戦からスタメンを入れ替えた狙いは?
素晴らしい選手たちを選抜して日本代表として臨んでいるので、多くの選手にチャンスを与えたいと思っています。その与えられた時間の中で、選手がこちらに何をアピールしてくるのか。完全にサバイバル。その時間の中で良いパフォーマンスを見せた選手が生き残っていく。そこだけははっきりしています。
ただ、ちょっと試している部分があり、選手自体の細かいコンビネーションを取りにくい中で、自分自身の良さを追求していってほしいと思っています。やれる選手はやれるところを見せてくれている。自分自身のプレーに言い訳をしないこと。高みに登っていくという強い想いをグラウンドで表現してもらいたい。
――最終のオーストラリア戦に向けて。
パフォーマンスの良い選手を出したいが、2試合続けて先発した選手はかなり疲労も溜まっています。そのあたりも考慮しながら、改めてメンバーを選びたいと思います。
構成:サカノワ編集グループ