【なでしこ】「コンセプトの理解度は高い」ニルス体制初陣! 狙いは『ポゼッション+縦の仕掛け』。2/21(金)7時から豪州戦 [現地取材]
ニルス体制初陣! 試合前日練習へ向かう、なでしこジャパンの選手たち。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
“相手を待たない”をポイントに挙げる。
[SheBlieves Cup 第1戦]日本女子代表 – 豪州女子代表/2025年2月21日(現地20日)/ヒューストン
デンマーク出身のニルス・ニールセン監督が就任した新生なでしこジャパン(サッカー日本女子代表)が初の対外試合に臨む。アメリカの親善大会「SheBlieves Cup」に出場し、オーストラリア、コロンビア、そしてホスト国のアメリカと対戦する。その初陣として、日本時間21日7時から、オーストラリアに挑む。
FIFAランキングはアメリカ1位、日本8位、オーストラリア15位)、コロンビア21位)。
初めての外国籍指揮官のもと、新鮮な風が吹き込まれている。ニールセン監督が大切にしているのは日本の特長と言える“つなぐ”サッカーで、2011年のドイツ女子ワールドカップ優勝時に見せた独特のスタイルは今なお記憶に焼き付けられているという。そこでニールセン監督は当時のサッカーを改めて入念に分析し、今に生かせる要素を取り入れながら、スイス女子代表を率いてきた経験も生かし、チームをブラッシュアップさせていきたいという。
「選手たちは献身的で、コンセプトの理解度が高いです」
ニールセン監督は選手たちの第一印象をそう語った。
豪州代表は一昨年の自国開催の女子ワールドカップで日本を上回るベスト4進出を果たしている。高さとパワーを生かしたセットプレーを武器にしながら、そこを“地上戦”で生かすための攻撃面の戦術のバリエーションも増やしている。
「身体も大きく、スピードのあるオーストラリアは日本が得意とするタイプではありません。(そこに対応できずに)コーナーキックばかり取られていては、なかなかゲームの主導権を握れません。だからといって私たちが勝てない、とは思っていません」
そんな迫力あるオーストラリア相手に、主導権を握るポゼッションサッカーを展開したという。そして”勝利=ゴール”のためにも、チーム全体の高い技術を生かしたポゼッションに、縦への仕掛けを組み込みたい考えだ。相手がリトリートしてしまう前、“相手を待たない”ことをポイントに挙げる。
全体練習はまだ1日しかできていないため、落とし込みはこれからの米国合宿中になる。まずチーム全体の方向性を定めて挑む。東京五輪、豪州女子W杯、パリ五輪とベスト8で終わっているなでしこジャパンの現状を踏まえると、オーストラリアとの対戦は、現在地を知るうえでも、とても良い相手と言える。
テキサス州のヒューストンは温暖と言われるが、寒波到来により朝方は気温が氷点下にまで差だった。スタジアム練習時には冷たい強風が吹き、田中美南は「暖かいつもりで来たので、寒さでむき出しの足が痛いです」と嘆いていた。
ただ、新たな船出を迎えるなでしこの選手たちの表情は一様に明るかった。前日の公式トレーニングの限られた時間内で、ポゼッションでの立ち位置、そこからゴールを向かうための動き方など、入念に落とし込んだようだ。
「ひょっとしたら試合当日は、少し緊張するかもしれません。でも逆に言えば、それは勝てる! という意味があるのかもしれません」
ニールセン監督がどのようなスターティングメンバーを組むのかも注目だ。日本女子代表 vs 豪州女子代表戦21日7時にキックオフを迎える。
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取材・写真/早草紀子
text and photos by Noriko HAYAKUSA
[▼Photos] ニルス体制初陣へ!!