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ホリエモン「いつもの三木谷さんのポジショントーク」。『携帯料金値下げ理論』に違和感

「楽天モバイル」のシェアが拡大されれば…。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA

NTT法廃止・完全自由化への反対を受けて、「ホリエモンチャンネル」で動画配信。

 実業家の堀江貴文氏が11月17日、ユーチューブの「ホリエモンチャンネル」を更新して、「楽天の三木谷さんがNTT法の廃止・完全民営化に反対していることについて解説します」と題した動画をアップした。

 ヴィッセル神戸のオーナーである楽天グループ会長の三木谷浩史氏が自身のエックス(@hmikitani)で、「報道どおりだとすると、自民党の『甘利氏』をリーダーとするプロジェクト。『NTT法を廃止』して、国民の血税で作った唯一無二の光ファイバー網を完全自由な民間企業に任せるなど正気の沙汰とは思えない。携帯含め、高騰していた通信費がせっかく下がったのに逆方向に行く最悪の愚策だと思います。国民の通信の将来など全く考えてない。こんなことがまかり通ってはいけない」と見解を示した。

 同法を2025年の国会で廃止するというもので、それに伴いNTTがより強大な力を持つ可能性が高まるため。三木谷氏は次のように危機感を募らせた。

「そもそも今回の騒動は『防衛予算確保のためにNTT 株を売却する』ということで始まったPJT(プロジェクト)で『甘利氏』を中心に情報通信に関係ない議員を中心に組成。防衛予算に充てることがなくなった今、そもそも情報通信政策の一環として、国民目線で多面的に慎重に議論をするべきであり、情報通信分野に強い議員を抜きに『どさくさにまぎれて』進めようとしているのは『正気の沙汰』とは思えない。与党もしっかりとして頂きたい」

 ただし、堀江氏は「いつもの三木谷さんのポジショントーク」と見解を示し、”楽天モバイルがシェアを伸ばせば、携帯代金は値下がりする”という理論は違うと指摘した。

 携帯業界では、ソフトバンクが参入したあと、NTTドコモ、auとほぼ同額の通信料金になったように「シェア4分の1になったら、(料金は)落ち着いていく」と、あくまでも市場均衡理論に則って、値段は平準化していくのが一般的な論理だと説明した。

「インフラ産業の差別化要因は基本的にない。どこを選んでも、料金プランもそこまで変わらなくなる。もちろんシェアを上げる時は無料などキャンペーンを組んでいく。(最終的に)それで料金が安くなるというのはウソ。短期間、数年はそうかもしれないけれど、そのあとは戻る。巧妙なウソ。日本のために携帯料金を下げないといけないんだと、菅さんは思っているかもしれないけれど、三木谷さんは商売人なんだから。そんなこと思うわけがない」

 堀江氏はそのように問題がすり替わっている点に首を捻る。今回話題の『NTT法』廃止については、「NTTに自由競争されたら、特に楽天モバイルは一番困るわけで、NTTドコモを牽制しなければいけない。それは至極全うなことを言っています」と理解を示す。ただし一方で、「(三木谷氏が)国のため、国民のため、利用者のため、と嘘を言うのが嫌なの。なんで、そんなこと言うの。ウチラ(楽天)の儲けのためです。これやられたら楽天潰れちゃいますと本音を言えばいいのに。方便を言っちゃうのがね」と苦笑いを浮かべる。そして新時代を切り開くと言いながら、新規参入のライバル社を平気で排除しようとする姿勢などにも苦言を呈した。

「建前と本音が変な感じになっている。なんでそんなことするんですか。立派そうなことを言っていても別に信じないほうがいいのかなと思いました」

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 もちろん三木谷氏が起業家として立ち上がった一歩目は震災に直面し、故郷である「神戸のために」だった。その“みんなのため・人のために”というスタンスがその基本にあるのは間違いない。ただ堀江氏はその”魂胆”を見せないようにしている点に違和感を抱いていた。

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