運命の1日…岐阜18歳の村田透馬がJデビュー!興国高の先輩・古橋は神戸で初先発初ゴール
FC岐阜でJリーグデビューを果たした村田透馬。写真:後藤勝/(C)Masaru GOTO
来季加入内定。「(古橋)亨梧くんを超える選手になりたい」
[J2 28節] 岐阜 2-3 京都/2018年8月12日/長良川
興国高(大阪府)3年のFW村田透馬がFC岐阜に2種登録され、8月11日のJ2・28節京都サンガF.C.戦に79分から途中出場し、Jリーグデビューを果たした。すでに来季の岐阜への加入が内定しているストライカー。しかも同じ興国高の出世頭といえる古橋亨梧が岐阜からヴィッセル神戸に移籍し、J1初先発初ゴールを決めた日と重なった。
興国高は創造的なサッカーで個性豊かな選手を育み近年急激に力をつけてきた。今年10番をつける村田は育成のスタンスやマインドで相通じるものがある岐阜に好感を抱き、2種登録でのプレーと来季加入を決断。早くもチームに溶け込んでいる。
「岐阜はボール回しの練習が多く、高校でもよくやります。そういったメニューが多いのが良くて、3トップの動きも似ています」
そう語る村田は京都戦前日の8月10日の練習後に、メンバー入りを伝えられたという。「練習試合で得点していたので、可能性はあるのではないか」と感じていたそうだ。
4-3-3の左ウイングに入った村田は最初の数分間、なかなかボールに触れられず、ベンチから「(ゴールの枠の間の)“幅”にとどまれ」と指示が飛ぶ。あまり動きすぎず、ゴール前で勝負しろという意図だった。
すると、ここからシンプルにフィニッシュを狙うことに集中。84分、狙い澄ましたループシュートをゴール右上隅に放つ。さらに89分にはシュートは外してしまったものの、規格外を感じさせる動き出しとトラップを見せた。
村田は嬉しそうに振り返る。
「止まって受けるより動きながらのほうがリズムに乗れるかなと思ったが、動きすぎました」
そして彼は先輩への感謝も忘れない。
「岐阜に入れたのは、(古橋)亨梧くんが岐阜に在籍していたおかげ。亨梧くんを超える選手になりたいと思っています」
そんな村田について大木武監督は「総論的なことを、彼は分かっている」と言い、試合中は「最後、人が集まるほうに入っていくような状況があったので、そのあたりは伝えました」と、指示は最低限に留めたそうだ。
京都では久保裕也(ヘント)、駒井善成(コンサドーレ札幌)、原川力(サガン鳥栖)、そして岐阜から古橋と個性的なタレントを輩出してきた大木監督のもと、新たな期待の若武者が早くも躍動を始めた。
取材・文:後藤勝
text by Masaru GOTO