湘南戦で10試合ぶり先発、神戸の左SB橋本和が感じた「イニエスタ効果」
湘南戦でリーグ10試合ぶりに先発し、勝利に貢献した神戸の橋本和。(C)SAKANOWA
「僕のサイドにはアンドレスがいたから」自信を持ってプレー。特長が引き出され、相乗効果が生まれる。
[J1 23節] 湘南0-2神戸/2018年8月19日/Shonan BMWスタジアム平塚
[天皇杯4回戦] 鳥栖-神戸/2018年8月22日19:00/ベストアメニティスタジアム
ヴィッセル神戸のDF橋本和が8月19日の湘南ベルマーレ戦で、実にリーグ10試合ぶりの先発出場を果たし、そのチャンスを生かして2-0の勝利に貢献した。
左サイドバックとして77分までプレー。同サイドのインサイドハーフに入ったアンドレス・イニエスタや左ウイングの古橋亨梧と好連係を築き、何度か効果的なオーバーラップも見せた。
「湘南のプレスはとても強烈なので、なるべくサイドバックのところで起点を作ろうとチーム全体で話をしていました。僕のサイドはアンドレス(イニエスタ)がいるんでね。ボールを預けるときはシンプルにアンドレスに預けるように、そこは意識していました」
左サイドでぐっとタメを作り、右サイドのルーカス・ポドルスキを活かす。あるいは、高さの長沢駿、スピードの古橋につなぐ。サイドバックの橋本には状況に応じ、攻撃時に一呼吸を置くという役目が求められた。そしてさらにそこからイニエスタにボールを預ければ何かが起きる――という意識もチーム全体で共有できていた。
「(イニエスタはすっかりチームの軸のようだが?)間違いないです。自分もいいところでボールをもらえて、そこから何度か仕掛けることができました。だからこそ、シンプルに預けようと思えて、気持ちよくプレーできています」
イニエスタが加わったことで、橋本の特長である1対1の守備、そこからの力強い推進力も引き出された。終わってみればチームも3試合ぶりの完封勝利。まだまだ課題はあるものの、橋本も一つ結果を残したことで、さらに気持ちを高めていた。
「僕はやることをやるだけです。まず目の前の1試合、1試合を頑張るだけです。特に僕なんかはそう。一つひとつのプレーを大切にしていきます。ただ……楽しいですよ、本当に(笑)」
一緒にプレーした選手がプレーを楽しみ(そこにはもちろん厳しさもあるが)、自信を持てる――。そんな根源的なことを含め、イニエスタ効果は早くもチーム内にかなり波及している。
取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI