【仙台】着々成長中のFWジャーメイン良が一撃!”本気”の天皇杯初制覇へ前進
ゴール裏のベガルタサポーターに挨拶をするジャーメイン良。(C)SAKANOWA
「ゴールはラッキーだった」と梁勇基のCKに合わせる。
[天皇杯 4回戦] 横浜FM 2-3 仙台/2018年8月22日/ニッパツ三ツ沢球技場
ベガルタ仙台のFWジャーメイン良が天皇杯4回戦の横浜F・マリノス戦で、貴重な勝ち越しゴールを決めた。7月22日のリーグ17節のサガン鳥栖戦以来、ちょうど1か月ぶりの公式戦出場。今季公式戦通算4ゴール目(4アシスト)だ。好調な攻撃陣を突き上げる存在として、大事な場面でしっかり結果を残した。
この日の仙台は横浜FMと同じ3-4-2-1を採用。ミラーゲームの構図となり、ジャーメインは右シャドーでフル出場を果たした。
「逆サイド(左はハーフナー・マイク)でボールを奪うことが多く、パスが振られたら起点を作りたかったが……なかなか上手くいかなかった。ボールが落ち着かない時間が長かった。前半でリードできたので、(後半は)粘り強く守備の部分を厳しく行きながらゴールを狙っていきました」
1-1で迎えた前半ラストプレーだった。右からの梁勇基のCKに、飛び出したGKの前に入ってジャンプヘッドで競り勝ち、ゴールネットを揺らした。後半は1点ずつ取り合い、3-2で勝利。ジャーメインの決めた1点は大きな価値があった。
「ゴールがラッキーな形で取れましたけれど、もう少し、普段の練習中のプレーでできていたことを出せたのかなと思う。そこはしっかり修正したい。しっかりチームを助けられるようにやっていきたいです」
チームはこのまま神奈川に残り、中2日で川崎フロンターレ戦に臨む。
「中2日は厳しい日程。でも今日出ていないメンバーもいますし、誰が行くと言われても、全員で勝ちに行くだけです」
そのように仙台らしい「一丸」で連戦を乗り切る覚悟を示す。アメリカ人の父と日本人の母を持ち、流通経済大柏高校から流通経済大に進んだあと、実績を積み上げてここまで這い上がってきた。プロ2年目の23歳、この日のゴールもしっかり「記録」として刻まれた。
渡邉晋監督も「本気で獲りに行く」と明言する初の天皇杯制覇へ、そしてJ1リーグ戦のさらなる連勝(現在3連勝中)とACL出場権獲得へ――。そのためにはジャーメインのゴールが必要だ。
取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI