J1再開後は「VARなし」。浦和の大槻毅、鹿島のザーゴ両監督が語る“心掛け”
1節・湘南対浦和戦、VARと連絡を取り合ったあと、OFRでチェックする佐藤隆治主審。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI
審判員確保の難しさと健康面などへの配慮から。
新型コロナウイルスの感染拡大と防止のため4か月に渡って中断していたJ1リーグが7月4日、再開を迎える。この期間、国際的なサッカーのルールを決定する国際サッカー評議会(IFAB)が、5人交代枠の推奨など幾つかの特例を設けてきた。そのなかで、リーグ再開のタイミングで、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)を採用するかどうか各国で決定できるとも発表していた。
Jリーグは過密日程のなかでの審判員確保の難しさ、審判の健康面への配慮を理由に、この中断期間明け、VARの導入を見送ることを決めた。
それにより心掛けるべき点について、浦和の大槻毅監督は次のように語った。
「新たな試みであったVARが行われなくなることは、この流れのなかでは妥当であり仕方ないことだと受け止めています。昨年までと同じ形に戻るということ。今年も開幕戦ではVARによって試合が止まる経験をしましたが、そういうことがないので、観ている方もゲームの流れを見るうえでスムーズになるのかなと思います。私たちもその流れに乗ったなかで、しっかりゲームをしたいと思います」
そのように「流れ」が改めて大切になると話していた。
また、鹿島のザーゴ監督は、判定のミスは起こり得るものと考えて試合に集中することが大切だと強調していた。
「VARがないのは、昔に戻ったという感覚の違いだけだと思います。VARはいろんな方々が疑問を提示していましたが、主審・副審にとって非常に手助けになるツールになっていました。それがなくなるなか、昔のようにやらなければいけないということ。
まず集中してピッチに立つこと。自分たちの仕事をしっかりやることが重要です。レフェリーも人間でありミスをすることもあり得ます。それはサッカーというスポーツの中にあるものと捉えないといけない。それぞれ代償を払うこともあるかと思いますが、ピッチでの戦いに集中して、自分たちのミスを減らし、できるだけ勝利に近づく姿勢をしっかりピッチの中で表現しないといけないと思います」
イングランド、スペイン、ドイツなど欧州主要リーグでは、VARはリーグ再開後も継続して採用されてきた。J1リーグではまだ今季1試合のみ導入されただけだったが、様々な経緯から前倒しで採用されたVARがなくなることでの影響も見守っていきたい。
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[取材・文:塚越始]