【鹿島】天皇杯の神戸戦へ、ポポヴィッチ監督「細部の状況判断の精度を高めることが大切」

「勝点3は獲れなかったもののインテンシティの高さ、チームとしてまとまって戦うところは、とてもいいものを見せられている」

［天皇杯 準々決勝］鹿島 – 神戸/2024年9月25日19:00/ノエビアスタジアム神戸

　鹿島アントラーズのランコ・ポポヴィッチ監督が9月24日、オンラインによる取材に応じて、翌日の天皇杯準々決勝・ヴィッセル神戸戦に向けて抱負を語った。

　AFCアジア・チャンピオンズリーグ（ACL）エリートとの連戦のなか、それでも前線からの強烈なプレスとショートカウンターをベースに調子を上げてきた昨季王者の神戸に対し、ポポヴィッチ監督は「ハイプレッシャーで来る相手に対し、その背後を取っていくのはもちろん一つあります」と、スペース攻略の攻防をポイントに挙げる。

「この対戦を前にした気持ちは変わりません。目の前の全ての試合で勝ちたい。どの試合でも勝ちにいく、勝利を求められるクラブだと理解しています。天皇杯に関しても、この試合、この大会で100パーセントの力を出し切り勝つことが大事だと思います」

　リーグ戦では5試合未勝利の続く鹿島だが、ポポ監督はそのように試合に臨む姿勢は変わらないと強調する。

「この10日間で、広島そして神戸と、Jリーグの中で調子のいい2チームと対戦できるのは良いことです。前節（柏レイソル戦、0-0で引き分け）上手くいなかなかったこともありましたが、そこを気にしすぎる必要はありません。何かを大きく変えるのは過ちだと思っています。積み上げてきたことを信じて、質を上げていく。そこが何より大切です。そこで力を出し切るトレーニングを、きっちりできていると感じます」

　そのようにクオリティを磨くこと。そこに矢印を向けるべきだと指揮官は語る。

「どこを一つ修正すれば、というよりも、守備も攻撃も、私たちの良さを発揮していく。そこを考えなければいけない。（最近の試合について）勝点3は獲れなかったもののインテンシティの高さ、チームとしてまとまって戦うところは、とてもいいものを見せられたと思っています。広島戦では攻撃の面で、とてもいい部分を見せられました」

　そのなかで瞬時の状況判断の精度を上げることを課題に挙げた。

「少し上手くいかなかったからと言って、大きく変える必要はないと思っています。やるべきことについて、より精度を上げていく。そのうえで、フィニッシュのところ、コンビネーションで崩していくのか、あるいはシンプルに足を振るのか。またはクロスを使うのか。そういった細部の状況判断の精度を高めることが大切だと思っています」

　最近はそのあたりの意思の共有が、なかなか図れずにいる。加えて、ポポヴィッチ監督にも、90分間の中で様々なシチュエーションが訪れるなかで、”いつも通り”だけでははない、勝ち切る采配も求められる。そこがタイトルを獲得できずにいる指揮官が、一つ突き抜けきれずにいるテーマでもある。研鑽を高めていくという基本スタンスは大切だが、鹿島を率いながら、そのこだわりの思考を勝利への追求にも適応させていくことが求められる（バランスが取れれば最強かもしれないのだから）。

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　天皇杯ベスト4を懸けた一戦、リーグとの連戦が続き、両チームともにどのようなメンバー構成で臨むかも注目点になる。鹿島vs神戸は9月25日19時からノエスタで行われる。