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【浦和】フットボール本部”第2章”へ「スムーズに組織を変更」。戸苅本部長が挙げた「ウィークになりがち」な課題とは?

ACL2022を制した浦和レッズ。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA

堀之内聖新SDとの取材対応、公式サイトで公開。

 J1リーグ浦和レッズのトップチームの強化を担当するフットボール本部の西野努テクニカルダイレクター(TD)の退任に伴い、空位だった強化責任者のスポーツダイレクター(SD)に新たに就任した堀之内聖氏と戸苅淳本部長が4月16日に取材に応じ、その全文がクラブ公式サイトに公開された。

 クラブ公式サイトによると、戸苅本部長は西野TDから昨年来の段階で「キャリアプランに関する相談を受けていた」という。そして今月に入り、退任する考えが示されたそうだ。

 戸苅本部長は「現在、他のクラブに行くことが決まったという話は、クラブとして報告を受けておりません。一方でいつか、クラブを離れるということは想定せざるを得ないと以前から思っていました」とコメントしている。ただ6月に退任したあと、横浜F・マリノスの強化担当者になることが確実視されている。

 また堀之内SDはこれまで強化部スタッフとして、「国内外のスカウト業務と契約を含めた交渉業務の2つがメイン業務でした」と説明。海外クラブとの渉外などが懸念されるが、すでに昨年1か月、2年前には3か月欧州で生活し、欧州10か国ほどを視察。提携先のフェイエノールトやアイントラハト・フランクフルトとも連携し、「いろいろな知見を得てきた」そうだ。

 一方、TDが空席のままとなる。今後について、戸苅本部長は「まずは堀之内さんにしっかりと引き継ぎをしていただき、スムーズに組織を変更していきたいと思っています」と、組織が再編されるということだ。

 また、フットボール本部など、浦和の強化担当はクラブOBの選手が活用されてきた。外部からの登用について、戸苅本部長は次のように語っている。

「まずもって、浦和レッズ出身でなければいけない、ということはないと思っています。そういったスタッフが湧いてくるようなクラブであってほしいな、と考えています。

 クラブの中でそういうスタッフが、選手からどんどん育ってくるような環境も、今後のためには必要だと思っています。一方、外部の環境や情報を取り入れていくところがウィークになりがちですので、その補完をどうしていくのかという課題解決は、向き合っていかなければいけないとも思います」

 そのように、特に国内のマーケットで後手を踏んでいる印象は否めず、「外部」との折衝も課題に挙げている。

 そういった意味でも、戸苅本部長はこれからがフットボール本部の「第2章」と位置付ける。

「第1章が土田・西野体制で作ってきた3年計画だったと思います。そういった意味で少し世代交代し、感覚的にも若いというのは(堀之内SDの)長所的な部分だと思います。

 今のサッカーとこれからのサッカーを見ていく上では、第2章が堀之内SDのフットボール本部になってくるんじゃないかなと思っていますし、どちらかというと堀之内さんが主体的に、どういうふうにしていきたいのか、というのを私はサポートしていきたいと考えています」

 “第1章”の成功と課題を検証し、国内トップの事業規模のクラブとして、「強くて魅力あるチーム」(堀之内SD)になっていけるか。戦術的なコンセプトももちろん大切だが、世界のマーケットで戦っていくためには、魅力あるタレントを浦和に迎え入れることも求められる。

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