【浦和】GK福島春樹が堂々J1デビュー「流経戦のほうがやりにくかった」

浦和のGK福島春樹。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

鳥取へのレンタル、右膝前十字靭帯断裂と半月板損傷の大ケガを乗り越え「人生で一番大きな試合に」。

[リーグ 30節]  鹿島 1-0 浦和/2019年11月1日/カシマサッカースタジアム

 浦和レッズのGK福島春樹が11月1日の鹿島アントラーズ戦、プロ4年目にしてJ1リーグ初出場を果たした。225試合連続フル出場を続けていた西川周作だが、11月9日のアジアチャンピオンズリーグ( ACL )決勝アル・ヒラル(サウジアラビア)との第1戦で出場停止になるため、今回、26歳のもう一人の左利きの守護神が経験を積む意味でも起用された。

 リスクを極力抑えてゴールへの道を正確に塞ぎ、左足から繰り出すフィードでも貢献。最終ラインとのコンビネーションも丁寧でそつがなかった。そして土居聖真の会心のシュートもビッグセーブで止めてみせたが――。そのこぼれたボールをセルジーニョにねじ込まれてしまった。

 福島は試合後、敗れた悔しさを噛み締めつつも、まずまずのパフォーマンスを見せられたことをポジティブに捉え、むしろ7月3日の天皇杯2回戦の流通経済大戦(〇2-1)のほうが難しさを感じたと明かした。

「試合の入りは特に気を付けていました。流経戦のほうが嫌でしたかな……やりにくさを感じていました。今回は、鹿島だから、ということもなく、やりやすく緊張もせず、自分のプレーをある程度は出せたかなと思っています」

 それだけに失点シーン――あのシーンを悔やんでいた。土居のシュートを見事に止めてみせたが、その弾き出す場所に課題を感じていた。

「僕らは何センチ、何ミリのところで仕事をしていています。最後のところは(土居のシュート)、ギリギリでなく少し余裕もあって触れることができたので、そこでコーナーキックに逃げたり、瞬時のなかで判断できるようにしなければいけない。そこを意識して、トレーニングに取り組みたいです」

 専修大時代の2015年から特別指定選手としてプレーし、2016年にユニバーシアードを制した「大学ナンバーワンGK」の鳴り物入りで加入。ただ当時から元日本代表守護神の西川周作の壁は高く、出場機会をなかなか得られず、シーズン途中からJ3のガイナーレ鳥取に期限付き移籍して実戦経験を積んだ。がそこで、右膝の前十字靱帯断裂と半月板損傷という全治8か月の大ケガを負ってしまう。2017年に浦和に復帰したあと、リハビリを経て戦列に戻り、昨年はルヴァンカップ3試合に出場して2勝1分と”無敗”を記録。今シーズンは第2GKとしてリーグ全試合でベンチ入りしていた。

「僕の人生で一番大きな試合でした。とはいえ、負けてしまったという結果がすべて。チームの一員なので、勝てなかった悔しさはあります。そのなかで僕もこれぐらいできると、ベンチを含めた選手層を証明できたと思います」

 福島はそのように語った。

 もちろん出場が確定したわけではないが、ACL決勝のアル・ヒラル戦では、この日以上のパフォーマンスを発揮することが求められる(その前に、5日には川崎フロンターレ戦もある)。

 26歳のGKは「アル・ヒラル戦を想定して使ってくれたと思いますし、この経験を生かさないといけないので、責任を持ってプレーしたいです」と頷き、J1リーグ出場『1』としっかり刻んだ記録の先を見据えていた。

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[取材・文:塚越 始]

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