イニエスタの前で久保建英J1初ゴール「めっちゃ痛くてビックリした」と興奮気味に語ったのは…
横浜F・マリノスの久保建英。(C)SAKANOWA
松原からのパスを左足で振り抜き、「落ち着いて決められた」。
[J1 24節] 神戸 0-2 横浜FM/2018年8月26日/ノエスタ
横浜F・マリノスの久保建英が移籍後初のリーグ戦先発出場を果たすと、自身J1初ゴールを決めた。仲川輝人も得点を決めたチームは3試合ぶりの勝利を収め、悪かった流れを断ち切ってみせた。
試合後、久保はまず「こういう難しい時期に自分を受け入れてくれたF・マリノスのファン、サポーターの皆さま、コーチ陣をはじめ、監督、チームメイトに、こうしてゴールという形で感謝を示せて良かったと思っています」と礼を述べた。
スコアレスで迎えた56分、左足で鮮やかに突き刺した一撃。久保はそのプロセスを細かく振り返った。
「前半はちょっとピッチが滑ってしまい、いい形でボールを受けられずにいたので、そこを修正しなければと思っていました。後半はちょっと(相手が)アバウトになってくると思っていて、いい形で前を向けるようになりました。フリーの松原選手にパスを出して、そのあと中に入ろうかと思ったのですが、松原選手が切り返したのを見て、得意な2列目でもらいたいと待っていたところにいいボールが来て、あとは落ち着いて決めるだけでした」
右サイドを駆け上がった松原健が一つタメを作って切り返したところが、一つポイントになったと言う。それにしても、まさに痺れるファインシュートだった。
対戦相手にはアンドレス・イニエスタをはじめとした外国籍選手など強烈な個が揃っていた。久保は「試合後だから言えますが……」と、やや興奮気味にあるシーンについて振り返った。
「自分は横浜F・マリノスのために、一つでも多くの勝利を挙げたいと思っていたので、そこで貢献できて嬉しく思います。ただ、試合が終わったから言いますが……イニエスタ選手、ポドルスキ選手、ウェリントン選手、外国人選手特有の強さや間合いがあり、ポドルスキ選手のシュートが当たったけどめっちゃ痛かったです。びっくりしました」
ポドルスキの強烈な左足が、久保の闘志に火を付けたようだった。29日には台風で延期になった清水戦が組まれている。むしろ、こうして連戦が来るのも、ある意味、巡り合わせであり、「運」もあるのかもしれない。
「監督もこの7日間(3連戦)が勝負だと言っていたので、あと二つも勝てるように、チーム一丸となって戦っていきたいです」
17歳が一つとてつもない重圧を跳ね除けた。「F・マリノスの久保建英」は、ここからさらに記憶と記録を刻むシーンを作っていってくれるはずだ。
文:サカノワ編集グループ