判定は”妥当”だが主審の対話不足!?警告のトーレス「なぜ戻りオフサイドで自陣から再開?」
FC東京戦に出場したフェルナンド・トーレス・写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
来日初のイエローカード。2016年にルール改正されたが、「外国籍選手枠」を増やすなかJリーグの課題になる一幕に。
[J1 25節] FC東京 0-0 鳥栖/2018年9月2日/味の素スタジアム
サガン鳥栖のFWフェルナンド・トーレスは8試合連続スタメン出場を果たしたものの、前節のガンバ大阪戦(〇3-0)に続く2試合連続ゴールはならなかった。F・トーレスは試合終了間際のアディショナルタイムに豊田陽平と交代。試合はスコアレスドローに終わり、J1残留争いをする鳥栖にとっては貴重と言える勝点1を積み上げた。
試合後、フェルナンド・トーレスは「FC東京はとても強いチームだからね。アウェーでの勝点1は貴重で次につながるよ」と、この結果に及第点を与えた。
一方、17分に松尾一主審に説明を求めたものの噛み合わなかったのか、ボールを後方に投げて、来日初のイエローカードを受けた。そのシーンについて、次のように振り返った。
「19年間プレーしているから、僕はもちろんルールは踏まえている。オフサイドの旗が上がっていた(フェルナンド・トーレスの戻りオフサイド)。それで鳥栖の自陣から試合を再開するというから、相手陣内ではないのか、なぜなのか? と聞いたんだ。ちょっとそれはおかしいのでは、と思ったんだ」
そのシーン、F・トーレスが訴えると、松尾主審が「NO」と言っているのが分かる。
ただ、国際サッカー評議会(以下IFAB)の2016年のルール改正により、”戻りオフサイド”はボールを触ったところからプレーが再開されることになった。だから、今回オフサイドの判定であれば、松尾主審と副審の判断は正しいことになる。
とはいえF・トーレスの求める説明を、主審ができていなかった印象を受ける。Jリーグにはアジア枠や提携国枠が設けられ、全面的に活用するクラブが増えてきている。さらには外国籍選手枠撤廃の動きもある。
そうした国際化を進めるなか、審判が外国籍選手とどのようにコミュニケーションを取るのか。今後のJリーグの課題を露呈した一幕になったと言えそうだ。
取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI