【浦和】新キャプテン伊藤敦樹がPKキッカーになった理由とは?「自分から蹴りたいと言ったわけではなかったが」「自信はあった」
浦和の伊藤敦樹。(C)2023 Asian Football Confederation (AFC)
新しいレッズを象徴する光景――「外すイメージはなかった」。
[J1 24節] 浦和 3–4 札幌/2024年7月20日19:00/埼玉スタジアム2002
J1リーグ24節、浦和レッズは北海道コンサドーレ札幌に0-4と一方的にリードされてから、試合終盤のペア=マティアス・ヘグモ監督の4枚替えから、二田理央の埼スタデビュー弾など3点を返したものの、3-4で敗れた。
ホームチームの緊張も漂った見せ場の一つが90分、井上黎生人が倒されてVARの介入からOFRを経て獲得したPKのシーンだった。
キッカーは、FWのチアゴ・サンタナではなく、酒井宏樹の退団により新キャプテンに就任した伊藤敦樹が担った。興梠慎三、アレクサンダー・ショルツ、サンタナらが担ってきたなか、腕章を巻く伊藤がペナルティスポットに立つ姿は、新しいレッズを象徴していて、とても新鮮でもあった。
すると豪快に突き刺して、1点差に――。アディショナルタイムは「9分」あり、同点への期待をさらに膨らませた。
伊藤は試合後、PKキッカーを担った経緯などを語った。
昨季まではショルツ、今季はサンタナがキッカーを務めてきた。ただ「自分から蹴りたいと言ったわけではなかったですが、コーチから『蹴れるか?』と言われていました。PKは自信がありましたし、そういう話をしていたので、準備してきました」と、練習で言い渡されていたということだ。
また、チアゴ・サンタナが途中出場で、伊藤は先発で出場していた。チームの決まりごとで、伊藤にまずどうするかという選択権があったそうだ。
「ただ、そこでチアゴとも、(ヘグモ)監督とも話をして、そこで『蹴る』と決めました」
決意を固めた伊藤は「PKを外すイメージがなくて、思い切り蹴ることができました」と堂々と自らの間合いに持ち込み、強烈な一撃を突き刺してみせた。
スタンドのボルテージは高まり、埼スタにさらに1点奪える――という雰囲気を作り出した。
しかし……チアゴ・サンタナの決定的なシュートはGK菅野孝憲の正面を突いてしまい、あと1点を奪えず。上位陣に踏みとどまれず、最下位の札幌に残留の希望の火をともすこととなった。
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これからサマーブレイクに入る。伊藤は「苦しい戦いが続き、上手くいっていないという責任は感じ、先頭に立って背負っていく覚悟はあります。0-4になり監督や理央から『下だけは向くな』と言われ、そこから追い付けそうなところまで、この埼スタの雰囲気を持っていけたことは、負けた中でも収穫だと思います。もちろん勝って気持ちよくオフに入りたかったですが、メンタル面もリフレッシュし、課題である守備面など冷静に見直して、再開後に臨みたいです」と前を向いた。