【川崎3-0神戸】なぜ二人退場? 主審の判断が尊重される。吉田監督「判定によって左右されるのが現状」
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「審判を守る」は世界的なスタンダードに。
[J1 25節] 川崎 3-0 神戸 /2024年8月7日19:03/Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu
J1リーグ25節、川崎フロンターレが3-0でヴィッセル神戸に勝利を収め、中断期間を挟んだものの、今季リーグ戦初の連勝を収めた。神戸は飯野七聖が前半のうちにイエローカード2枚、そして63分には副審に向けてボールを蹴ったとしてマテウス・トゥーレルが一発レッドカードで、二人が退場処分となったことが響いた。
飯野は前半終了間際、相手の背後を突き、ボールが出てきたペナルティエリア内へ抜け出した。後ろから追ったDF大南拓磨が右手を出して飯野の背中に触れる。そこで飯野が倒れたのだが、そこまでの強度はなく故意に倒れたとして、シミュレーションによりイエローカードが提示された。
確かにその接触によって直接的に倒れるという強さはなかったと言われれば、そのようにも見える。一方、飯野は全速力でスペースを突いて、そこで体を張っており、見方によっては、大南に散見される背後から手を出す不要な行為とも言えた。
これは主審によって判断が分かれただろう。またイエローカードのため、VARの介入は”対象外”であり(接触のファウルは、一発レッドカードやゴールに関わるプレーが対象)、2枚目の警告で飯野の退場処分となった。
さらに63分、神戸のゴールキックの際、ピッチ上にあったボールをトゥーレルが副審に向けてサイドキックで蹴った。そこまでのスピードではないが、副審が股を開いてそのボールをよけた。その行為が主審への乱暴にあたるとして、トゥーレルに一発レッドカードが提示された。
この場面は、VARもチェックしている。ここもまた、主審の判断が尊重された形だ。
神戸の吉田孝行監督は試合後のフラッシュインタビューで、このシーンについて、次のように語っていた。
「そういうシチュエーションは初めてでした。トゥーレルと話をしても、うーん……パスをしただけで、それを一発レッドカードというのは、どうかなと思います。飯野も悪質なことをしたのではなく、自分が裏へ抜け出たところでイエローカードをもらってしまい。いろいろ難しいですけれど、判定によって左右されるというのが現状かなと思います」
「審判を守る(マナー)」ことは、昨年から世界的にレフェリングスタンダードで、より重視されている点である。欧州主要リーグの審判に多く見られるが、プレーと関係のない選手、キャプテンではない選手がプレー中に主審へ詰め寄り抗議した場合、即イエローカードが出されるケースも少なくない(増えている)。VARの登場により、むしろ集団で詰め寄るなど主審に威圧的な行為が増えている点も問題視されている。
試合後、吉田監督が審判団に説明を求めていた。しかし、そこに神戸の複数のコーチ・選手が加わろうとしており(スタッフが制止していたが)、集団で敵意を示してしまうのは、チームとして考えるべき課題であるのかもしれない。リーグなどからの処罰の対象にもなり得る。
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もちろん神戸としては、齊藤未月のアクシデント以来、判定にデリケートでありナーバスになっている面はある。夏のリスタート初戦とあって痛恨の敗戦となったが、逆転優勝のためには、まずピッチでの目の前の戦いに備えて集中したい。