泉澤仁が辿り着いた新境地。東京ヴェルディで「新たな自分と出会えた」
決勝ゴールを決めた東京Vの泉澤仁。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
横浜FCとの上位対決でのテクニカルショットが決勝点に!
[J2 32節] 東京V 2-1 横浜FC/2018年9月8日/味の素スタジアム
1-0とリードしていたものの強力アタッカー陣を揃える横浜FCが相手なだけに、ジリジリする緊迫の展開が続いていた。
「高い位置でできるだけボールをキープするように」
59分、そう指示を受けて投入されたのが泉澤仁だった。そして次第にプレーのリズムを掴み出した70分、左サイドをえぐった香川勇気のマイナスのクロスを受けた泉澤が、相手の間合いを外して、冷静にゴール右隅にシュートを突き刺した。
「ロティーナ(監督)やコーチから、サッカーを教えてもらっていることが大きくて、非常に今、楽しくサッカーをやらせてもらっています」
具体的に彼は「ポジショニング、立ち位置、ボールの置き方といった、学ぶところが自分にあったなと。新たな自分と出会えて、もっと成長していきたいと思えています」と語っていた。プロ5年目、この夏にガンバ大阪から期限付き移籍をしてきた東京Vで、新境地を開拓できているというのだ。
ロティーナ流の指導は、「初めての感覚」とあって、吸収するものも多いという。また、「練習以外でも、一生懸命に映像なども見せてもらっていました。そういうところも大きい」と、チームに溶け込むためのスタッフ陣のバックアップも十全だった。加えて、何よりそうした監督をはじめチームメイトと共鳴できていると実感できている。
「攻撃的なスタイル。すごく合っていると思います」
東京Vはこれで3連勝。勝点55で暫定4位に浮上し、自動昇格圏も十分狙える位置につけてきた。
「チームとしても、個人としても、1試合、1試合、すごく緊張感のあるなかでできている。それがいいなと感じています」
泉澤とともに東京Vが蘇ろうとしている。今度こそ――。
取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI