一体何が問題だった? 大宮vs北九州で「競技規則適用ミス」。相手脳震盪による『追加枠』で2枠交代も、大勢に影響なく試合は成立
写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
観る側が分かるようにするためには!?
Jリーグは9月18日、14日に開催されたJ3リーグ28節の大宮アルディージャ vs ギラヴァンツ北九州戦で、「競技規則の適用ミス」があったと発表した。Jリーグが日本サッカー協会(JFA)審判委員会に確認したうえ、大宮の3-0のまま試合成立となった。
発端は今季から採用されている「脳震盪のよる交代枠を使った場合、相手チームも1枠増やせる」として、より平等になった。
今回90+4分、大宮はアルトゥール・シルバ → 中野克哉(相手チーム脳振盪交代による追加枠)、茂木力也 → 知念哲矢 (通常交代)の2枠を使った。
しかし大宮はすでに68分、75分、81分と通常の交代として3回を使用していた。本来、この90+4分の交代は「シルバ→中野」しか認められず。「茂木→知念」は競技規則では認められないが、審判団はこれを認めた。
北九州は23分に坂本翔が脳震盪の影響で交代していた。
つまり、通常交代を行ったあと、「追加枠」を使用できるのは「1枠」のみ。そこで通常といっしょくたにした2枠を活用して交代したのは「競技規則の運用ミス」にあたった。
アディショナルタイムは2分間で、結果への影響はないとして、試合は成立することになった。
ただし、大宮が68分、81分に行った交代は「1枠」だった。ここで「通常枠」ではなく「追加枠」を先に活用できるのか。であればトータルで見れば枠の活用に問題はなかったとも言える。そのあたりが、審判団が気付かなかった問題の根幹にある。
関連記事>>【広島0-0札幌】川村拓夢のシュート入っていた。「誤審」JFA審判委員会が認める。経緯と理由を説明
いずれにせよ、観ている側は「今の交代は通常枠だ。今度は追加枠だ」とは理解できず、そのあたりは今後も混乱が生じかねない。ルールなどをまとめるIFAB(国際サッカー評議会)の裁量にも関わってくる事項だが、JFA審判委員会からの説明も必要となりそうだ。