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闘争本能剥き出し。”キャプテン”内田篤人が見せた三つの表情

試合途中からキャプテンマークをつけた内田が、ベスト4に導く。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

小笠原満男から戻されたキャプテンマークに込められたメッセージとは。

[ルヴァンカップ 準々決勝②] 川崎 1-3 鹿島/2018年9月9日/味の素スタジアム

 鹿島アントラーズが川崎フロンターレとの注目の対決を2戦合計スコア4-2で制し、ベスト4進出を果たした。準決勝は横浜F・マリノスと対戦する。

 右サイドバックの内田篤人はフル出場。遠藤康とともに対峙する、阿部浩之と登里享平を封じながら攻撃を組み立てるタスクをこなした。

 山本脩斗の連続ゴールで2点リードしたあとの51分、阿部にゴールを決められる。ただ内田はDF陣に2-2でも勝ち上がれるのだから「普通にやろう」と強調し、意思統一を図ったという。守備的、攻撃的うんぬんではなく、普段通りに、と。

 遠藤康が59分で交代する際、内田がキャプテンマークを受け継いだ。そして”キャプテン”内田は試合をコントロールしながら、勝利のシナリオを確かなものにしていく。72分、セルジーニョの3点目――これで鹿島の勝利はほぼ決定的なものとした。

 セルジーニョと交代して小笠原満男が89分に投入される。内田は小笠原へキャプテンマークを渡すように、セルジーニョに託す。するとセルジーニョからキャプテンマークを受け取った小笠原はピッチに駆け込むと、無言のまま内田にその腕章を戻したのだ。

 些細なかもしれない。ただ、いろんなメッセージが込められているように感じるシーンだった。

ウォームアップする内田。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
試合前の記念撮影での内田。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

 ウォームアップ、試合開始時、そしてプレー中(キャプテンマークを巻いたあと)――。ピッチに立った瞬間、内田の闘争本能にスイッチが”オン”に入っていることが、その表情からも分かる。

 シーズン終盤に突入し、タイトルに関わる重要な試合が続く。彼の中でも、勝負に対するギアが一段階上がったように感じる。鹿島の一員だからこそ味わえる、痺れる季節の到来とも言える。

 まさに文字通り、総力戦が続く。そのなかで鹿島は関門だった川崎を攻略し、3年ぶりのルヴァンカップ戴冠にまた一歩近づいた。

文:サカノワ編集グループ

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